
昨晩は個室でゆっくり手足を伸ばして寝られたせいか、4時半頃にはお目覚めです。カーテン越しに明るさが感じられさぞや良いお天気かと思いきや、カーテンを開けたら「あら〜、真っ白やわ〜」。小屋前のテント場からカール状に広
がる斜面も、ほんとなら部屋から遠望出来るはずの劔岳方面も、これから歩く牛首もガスで真っ白です。まぁ、雨が降るよりはマシか。
朝食は5:25始まり。今日は五竜へ行くだけなのでもう少し遅くても良かったのですが、聞けば団体さんが入っているので、これを逃すと7時過ぎになってしまうとか。早めに朝食を済ませ、出発までゆっくりするのも良いかも知れません。とはいえ、準備が出来てしまうと行動に移したくなるお年頃、結局6:45 山荘を出発です。
明け方よりは少し晴れてきたガスの中、本日のハイライト第1弾、牛首の下りへと突入です。雨は降ってませんが昨夜来の霧で多少岩が湿っています。クサリを含め三点確保を心がけて慎重に足を乗せて行きましょう。手元・足元に気持ちを集中したいのに、こういう場所に限ってコマクサやシャクナゲが鮮やかに群生しているんですよねぇ。あっちも見たい、こっちも見なければ、、あ〜、どっちを見れば良いのよ!と思いつつ、7:45 先ずは最初の核心部を降り切ります。
ヤレヤレと思ったのもつかの間、再び岩稜の下りになりますが、先程より足がかりが広いので歩き易い感じです。今度はイワギキョウの群生があちこちにありますね。さっきよりはちょっと余裕で眺めることが出来ます。8:00 大黒岳を乗り越え、8:15 ようやく広い場所に出ていったん休憩です。ほっ。肩に力が入ったままの緊張感をここでほぐしましょう。あ〜、喉が乾いた!
遠くを見れば、立山連峰の稜線が雲間に少し見え隠れしています。よしよし、これがあっての後立山連峰です。ここから最低鞍部に下りてまた白岳へと登り返しますが、そこは今までの岩峰と
違って樹林帯やハイ松帯を抜ける道になっています。咲いているお花も岩場に咲くお花からキリンソウやイワツメグサなどに変化してきます。
9:15 五竜岳←+→唐松岳の標識がある白岳麓の台地で休憩です。振り返れば苦労して下りてきた牛首から大黒岳の稜線が見えて、まぁ、よう下ったな〜とあらためて感心。
先ほどから頭上を黒っぽい鳥がヒューヒューと風を切って飛んでいます。尾羽の付け根辺りが白くなっているので、どうやらアマツバメのようです。白岳は山腹を巻くように登ります。なだらかな坂道で、ここはゆっくりお花を見たり、行く手のガス
で霞む五竜を見上げたりしながら歩きますが、そろそろお腹が空いてきました。「疲れた〜」「お腹が空いた〜」等と子供のように云いながらも、最後の登りで遠見尾根への分岐に出てきました。すぐ下に五竜山荘の赤い屋根が見えてきたら、後は一気に降りて10:00 五竜山荘に到着です。
入口には「本日は混雑が予想されます。布団1枚に2〜3人」の札がかかり、受付時にも念を押されますが、幸い4畳半一部屋をもらえて良かった良かった。部屋といっても上下2段に分かれ、廊下側はカーテンのみの2段ベッドの拡大版といったスペースですが、最混雑時はここに10人は詰め込まれるようなので、4畳半に7人はまぁ、良い方でしょう。こういう時は何はともあれ荷物置き場の確保。ちょうどお掃除用具置場が目の前にあっ
たので、ここにザックをまとめてとりあえずお昼を食べてしまいましょう。
温かい天ぷらうどんや牛丼でお腹を満たしたら、11:40 明日の長い下りのことを考えここでお留守番のメンバーを残し、本日のハイライト第2弾、五竜岳へ向けて出発です。最初はダラダラした坂を登って行きますが、次第にガレ場状態になり、12:00 さっそく休憩です。ガスが下からキタ、キタ、キタァー!という感じで斜面を伝って這い上がって来ます。アッという間に周囲はガスで覆われてしまいました。ハイ松の間を茶色っぽい鳥が歩いています。褐色の羽に白い斑があり、一見雷鳥に見えるのはホシガラス(別名ダケガラス)でしょうか。
道が段々と険しい岩稜帯になって来ました。岩壁に沿って片側が落ち込んだ狭い足場を回り込むように登ります。いや〜、登るのは良いけれど、これどうやって降りるん?と不安になってきますが、ここまで来たら進むしかありません。牛首はそれでもクサリがありましたが、ここは自分の手足だけが頼り。牛首以上に三点確保を心がけましょう。
ちょっと広い所に出て一休み。片側は谷に向って切れ込み、下の方では2b程の雪渓が口を開いています。そこを見下ろしていた1人がボソっとリーダーに質問。「ここから落ちたら、どないしてひらいますのん?」 思いがけない質問にリーダーも一瞬詰まりますが、さっ
と地形を見て「ここはヘリも入られへんし、向こう側に回ってトラバースして懸垂下降で降りるかな〜、でも難しいなぁ〜」 ひゃぁ、落ちてもひらってもらえないんや〜、みんな、落ちんようにしとこな〜。
ここから頂上までストックは要らないだろうと岩陰にまとめて置いた地点で、足首を痛めた最後の男性メンバーがここでストック番をかって出ます。残った女性メンバーとハ〜レム状態♪のリーダーで先に進みましょう。
遥か上に標識が見えその周囲に人影がチラホラ。まだこの岩を登るのか〜、もうここまで来たから良しとしよう、下りもあるしぃ・・と少々気弱になりますが、「ダマされたと思って、行ける所まで
行ってみよう」というリーダーの言葉に、ダマされてみました。まぁ、登ってみればそれはそれで楽しく、唯一あるクサリ場を過ぎるとさっき見上げた標識に出てきます。着いたぁ〜!
\(^○^)/と喜んだら「それは縦走路分岐の標識ですよ」と他の登山者からツレないお言葉。五竜はアッチと指差す先には、確かにもう一つ標識があります。最後の力を振り絞って、12:50 お待ち兼ねの五竜岳山頂(2814m)です。
残念ながら雲が多く、鹿島槍も劔も見えませんが、ここまで上がって来ただけでご満悦!自慢げに写る写真にご一緒しているのは、50年前はお米を持って山小屋を渡り歩いたという、昔の山のお嬢さん。今日は息子さんと一緒に唐松から来られたそうで、本当はキレット小屋まで行くご予定だったと云うから驚き
です。オンナは強いどぉ〜。
その内賑やかなグループが上がって来ます。昨日、扇雪渓で顔を会わせ、唐松頂上小屋の自炊室では新鮮なサラダ一杯のチョー豪華なお夕食を作られていたあのグループです。ここの山頂はそんなに広くないし、下では昔のお坊ちゃま達が待っているし、さぁ、そろそろ降りましょうか。
どうやって降りようかと思っていた岩場も、リーダーいわく「登りで1回経験してるとそんなに大変やないでしょ」の言葉通り、何やら気が付けばスッス〜と降りてしまいました。ストック番をしていたメンバーと合流し、13:40 一休みしていると先ほどのグループがまたまた賑やかに降りて来られます。先行されている数名をやり過ごしたら、こちらも出発です。例の壁伝いの箇所を過
ぎ山荘に近付いてきた辺りから、遠くでゴロゴロと雷の音が聞こえ始めました。丁度良い時に降りて来られましたねぇ。14:20 さっき出た時よりずっとテント数が増えた五竜山荘に無事、帰って参りました。
テントも増えたけど、山荘内のザックも増えたなぁ〜。廊下にズラァ〜〜っとザックの列です。夕食も3回転位あったでしょうか。お味噌汁付き五竜名物カレーのお陰でお客さんの回転もスムーズです。第1回目5時〜の夕食を済ませ、混み合う廊下を避けてそそくさと我がネグラへ。何をすることもなくボーっと窓の外を見てると、ほんの僅かですが夕陽が射して来ます。慌てて外に出ると赤い夕日が丁度沈もうとしている所。小屋の黒板には明日の天気は曇り後雨となっていますが、意外とイイお天気かもしれません。
部屋に戻ると食事どころか今到着した人達でごった返し、「もう登りたくねぇ〜」と言いながら階段を上がる声も聞こえます。そんな騒然とした中、昨日が月なら今日はスッポンの第2夜を過ごします。あ〜、明日の温泉が楽しみだ〜!


今日のお時間
6:45 唐松頂上小屋−8:15 大黒岳(2511m)−(休憩)−9:15 白岳麓(休憩)−10:00 五竜山荘(昼食)
11:40 五竜山荘−(休憩1回)−12:50 五竜岳(2814m) 13:10−(休憩1回)−14:20 五竜山荘