
台風接近やら梅雨前線停滞やらで、天気予報は見るたびにどんどん悪い方へと向っています。こりゃ、雨の中の歩きになるかな〜と覚悟しながら、朝8番くらいの新幹線で名古屋へ。8:00「しなの」に乗り継ぎ、10:27 松本で新宿発の「あずさ」に乗換えます。さすが、花の東京からやって来た電車だけあって、座席やドアもオシャレな内装になっており、デッキでの喫煙は禁止されている代わりに、喫煙コーナーは窓に向って座席が設置され、さながらサロンカーのようだ!とタバコ派のリーダーは大喜び。そうか〜、JR東日本はさすがだなぁ。ぐぁんばれ、JR東海!
白馬到着後は即行動に出るので、車中で早お昼です。愛知万博記念弁当「日本の味博覧」はおしながき付きで、数種のおかずと2種類のご飯が盛り込まれ、これで1000円はなかなかのお値打ち。8月1日からは秋バージョンで栗ご飯が入るとのこと。駅弁ファンにはたまりまへんな〜。
11:25 白馬駅に到着。予約していたタクシーで八方ゴンドラ乗り場まで行きます。前日唐松頂上山荘に聞いたところ、「朝の内は学校登山で混んでるが、お昼過ぎなら大丈夫でしょう」のお告げどおり、駅は拍子抜けのガラガラ状態。唯一並んで?いたのが、先行していた我がメンバーで、所在なげに階段に座ってお待ちでした。ゴンドラアダム〜クワッドリフト2本で、標高1840mの八方池山荘まで上がります。あ〜、らくちん。
山荘前は登山者・観光客でごった返し、先ほどのゴンドラ乗り場の閑散とした雰囲気は何だったのでしょう? ここで身支度をして予定より30分程早く、12:30 出発です。観光客がごっちゃり居る湿原コースを避け、ゴロゴロした岩の尾根道を上がりますが最初のワンピッチはほんと〜に辛いものです。12:45 きれいなトイレ小屋手前の八方山ケルンで一休み。ワンピッチと言ってもたかが15分ですが、たかが15分されど15分。ザックを降ろし息を整え、水分補給を致しましょう。
幸い空は薄く雲がかかり、時折陽射しがさす暑くもなく寒くもない丁度良いあんばいとなっています。振り返ればさっきリフトを降りた八方池山荘の赤い屋根が、大分小さく見えています。
どっこいしょとザックを担ぎ直して、次は八方池を目指します。第2(息)ケルン、八方ケルンを通過して13:20 第3ケルンの近く、山名の案内板がある展望広場?で次なる休憩です。すぐ下には八方池が広がっています。不帰の瞼や白馬三山は残念ながらガスがかかり、まだその全容を現していません。
ここでリーダーの想い出話し。かつて大学山岳部時代の仲間が冬場の不帰キレットで滑落遭難し、他の仲間と駆けつけたものの冬山の厳しさ、警察の救助隊も二の足を踏む中行く行かないで、このケルン近辺で仲間と殴り合いになったとか。その場は居合わせた県警の人に止められたそうですが、結局自分達で引き上げる事になり、必死の思いで残念ながら冷たい身体とな
った仲間を稜線まで持ち上げた・・というお話を遠く現場を見やりながら話してくれます。殴り合いをした当のお相手は、その仲間を見守るかのように下の白馬村で民宿をされているそうです。「いや、今でも仲はええんよ」、、う〜ん、山ヤの世界は熱くて深いなぁ〜。
ちょっと休憩が長くなりました。ガスがなければ八方池に映る白馬三山を見に池まで降りても良いのですが、今日はこのお天気ですし先に進みましょう。
ここから先は唐松岳へと向う登山者だけとなり、道もだいぶ空いてきます。朝方ゴンドラで上がったのか、昨日唐松小屋に泊まったのか、中学生・小学生の団体と次々にすれ違います。元気なお子達はすれ違うたびに一人一人が「こんにちは!こんにちは!」と挨拶をしてくれるのですが、登り途中のオジサン・オバサンは一々お返事する余裕はないのよ〜、ごめんなさいねぇ。
岩だらけの道から一転、大きなダケカンバが生い茂る樹林帯へと入ります。下ノ樺(しものかんば)です。やはり緑濃い道はホッとしますね。森の中坂道を尚も進み、14:10 そろそろ限界〜!という声にお応えして、涼しい風が雪面を渡る扇雪渓で休憩です。ここでこれから以降何度となく前後する15名ほどのグループと最初のお顔合わせです。少し長めに休んだら先に進みましょう。
雪渓横の道を上がると、今度は上ノ樺(うえのかんば)の森を抜けます。道脇には高山らしいお花が一杯咲いているのが目に入ります。まぁ、今までもあったのですが、登るのに一生懸命であまり愛でる余裕がなかったんですよね。今年はコバイケイソウの当たり年というだけあって、あちこちに群生していて実にお見事!ニッコウキスゲも今年が多く咲く周期とかで、コバイケ
イソウとニッコウキスゲの周期が重なるのは、10数年に1度とこのと。何とも貴重な年に来れたものです。
上ノ樺を過ぎると足元は段々とザラザラした道になり、どことなく針葉樹系の香りが漂うな〜と思うと、周囲はハイ松帯になっています。ハイ松の下に隠れる様に、姫しゃくなげやチングルマが咲いています。右上に丸山ケルンが見えて来ました。小さな雪田の中をケルンに向って真っ直ぐ上がる道もあるようですが、本道は雪田を巻くように上がっています。14:50 丸山ケルンを通過。ここは休まず先に進み、15:30 眺めの良い場所で休憩です。ガスが一瞬晴れて、不帰のキレットがその険しい姿を現しました。ありゃま〜、ほんとにのこぎりの歯みたいですねぇ。どうやって歩くのでしょうか。でも良く見ると道がちゃんと付いているんですねぇ。
大学時代に白馬岳から五竜まで縦走したというメンバーいわく、「全然、覚えてない」とのこと。それほど無我夢中で越えて来たのでしょう。道幅がかなり狭くなり、岩肌に沿ってクサリが付いている箇所を過ぎ、次の角を曲がれば山荘が見えるかな♪の期待も虚しく、山腹の道を進みます。フト見ると、「山荘まであと5分」の小さなプレートがさりげな〜く岩の上に置いてあります。5分の「5」の字が消えかかっているのがミソですね。あまりにさりげな過ぎて気付かなかったメンバーも居るようです。その分、カーブを回った途端、ほんの2〜3b前に小屋が出現した時は、思わず「わぁ〜、小屋だぁ〜!」の歓声が上がります。
16:00 お疲れ様でした。唐松岳頂上山荘に到着です。受付に行くと、靴の山、山、山。少々ビビりますが、事前に個室を予約していたお陰で、新館の畳みの匂いもかぐわしいまるで旅館の
ような部屋にとりあえずザックを置きます。明るい内に、飲み物だけ持って唐松岳頂上を目指しましょう。
16:15 山荘を出発。15分程で山頂(2696m)に到着です。夏の日とは言え、さすがに4時を回ると山頂に吹く風はかなり冷たくなっています。長袖1枚どころか雨具の上を持って行こうとするメンバーを尻目に、元気一杯を装う半袖姿のリーダーの腕には、見るも鮮やかなチキンスキンが(別名鳥肌とも言う)。思わず口に出たのは、痛恨の一言「失敗した・・」。夏に多い「凍死」はこういう油断から始まるという例を、身を以って教えて頂きます。
記念写真は撮ったし、風は寒いし、そろそろ降りましょうか・・と言っている時、雲の隙間から光がサーっと降りて来ます。「天使の階段」とも呼ばれる光の筋にしばし眺めいっていると、不帰の瞼から白馬へかけての稜線もくっきりと現れます。小屋に戻るのを止めてもうしばらくこの眺めを楽しみましょう。
16:50 山頂の感激を胸に山荘に戻り、とりあえず居心地の良い山荘のカフェで生ビールです。グラスもちゃんと冷やされているらしく、細かい水滴が付くジョッキでまずは1日目無事終了のかんぱ〜い!!夕食後は6畳2部屋に3人と4人に分かれ、天国のような一夜を天国に近い山小屋で過ごします。明日も良いお天気だと良いな♪

今日のお時間
12:30 八方池山荘−12:45 八方山ケルン(1974m)−13:20 第3ケルン−14:10 扇雪渓(2361m)
−14:50 丸山ケルン− 16:00 唐松岳頂上山荘 16:15−16:30 唐松岳山頂(2696m)
−16:50 頂上山荘