今日はのんびり
天狗岳

高見石で出発式朝食は2順目の6:00から。男性陣はまたもや薪ストーブの周りにひっついて、射し込む朝日の中、うだうだと時間を過ごしています。昨日の青年は、もうとっくに出発されたようです。

高見石小屋の朝食は、山小屋には珍しい洋食。まだ温かいロールパンにハムやサラダ、ジャムの容器はパチンと折ると真ん中からチュ〜と出てくる優れもの。コーヒー・紅茶は飲み放題で、ゆっくりと朝食を頂きます。今日はメインの天狗岳越えですが、時間がたっぷりあるので他のお客さんが次々と出発するのを横目に、余裕で支度をします。

今回は(も?)A・Bコースが設定されていますが、中山峠でどちらに行くか決めましょう。7:00 テラスでまだまだ元気な姿を中山手前の休憩カメラに収めたら、出発です。ゴロゴロした岩と緑の針葉樹という、いかにも北八つらしい道を、中山へ向けて上がって行きます。坂はあまりきつくありませんが、ゴロゴロ転がる岩は歩くペースが掴めず歩きにくいものです。

7:30 ちょっと休憩していると向こう側から4名ほどのグループが来られました。聞けば阿弥陀岳からピラタスロープウェイまで縦走されているのだとか。「えっ!今日阿弥陀から来られたのですか?」「いえいえ、今日は○○(忘れた)からです」・・そりゃ、そうですよねぇ。ロープウェイへ向かう皆さんを尊敬の眼差しで見送ったら、こちらも出発しましょう。

中山展望台時間がたっぷりあるので、休憩を多くとる事にしてのんびり行きます。と言いつつも、ここまでで、小屋から先に出発されたグループを2組も追い越してしまいました。もっと、ペースを落とさなアカンな。という訳で、8:10 またもやお休みです。でも、時間的にもそろそろ区切りの良い場所ちゃいまっかぁ?!また、恒例「ちょっと手前の休憩」です。

8:25 中山山頂手前の、展望台に到着です。広々とした展望台で、大休憩としましょう。休憩されていた方と入れ替わりに(もしかして、追い出した?!)、ザックを降ろして展望を楽しみます。これから行く天狗岳も、まだずっと先にあるように見えますねぇ、あそこまで辿り着けるんやろか。

中山峠へ下ると、また一人先着されてた方が出発しようとした所で、「あれ、ひとり?」と急にメンバーの一人が声を掛けます。な、な〜んと、お知り合いに遭遇です。片や関西から、片や東京からで久々の再会だとか。いや、山ってこういうバッタリ話しを良く聞きますが、ほんとにあるんですねぇ。出発しようとしていたのを引き留めて、しばしご歓談です。しかも、こ〜んな山の上で名刺交換までしております。それを見ていた一人、「名刺はいつも持ってないとアカンねぇ」 

そんなこんなで20分ほど休憩して、十分英気を養ったら先に進みましょう。ここはあくまで展望台で、山頂ではありません。中山の山頂は樹林帯の中で、古ぼけた(失礼!)道標があるのみ。存在感の薄い山頂をあっけなく通り過ぎ、道は中山峠に向け急激に下って行きます。中山峠からみる天狗岳と黒百合ヒュッテ

40人ほどの大グループとこの細い坂ですれ違いです。急ぐ旅でなし、どうぞ・どうぞとにこやかに40名様に先に上がって頂きます。岩の道から普通の土の道になり、周囲はカンバの森となって来ました。左下はスッパリと切れ落ち、その谷を挟んだお向かいには、ニュウでしょうか大きな岩山がせり出しています。

9:20 中山峠に到着。正面には雲の切れ間から天狗岳の頭がちょっと見えます。さぁ、ここでAコース、Bコース運命の別れ道。ここまで来たなら、噂の黒百合ヒュッテにちょっと寄って、トイレを借りつつ相談しよう、そうしよう♪となり、全員で黒百合ヒュッテに向かいます。

天狗の奥庭9:25 黒百合ヒュッテでトイレ休憩。相談の結果、9名中6名がAコース、3名がBコースを歩き、唐沢鉱泉で落ち合う事になりました。9:45 先ずは展望の天狗岳Aコース組が、お気楽Bコース組に見送られ出発です。目の前のゴロゴロと岩が転がる道はけっこう急です。本来なら水を湛えている筈のスリバチ池は、水枯れでカラッカラ。どこが池かも分かりません。

天狗の奥庭と呼ばれる溶岩台地を更に登って行く事20分。ちょっと休憩です。天狗岳がずいぶんと近付いてきました・・というか、こっちが近付いているんですけどね。一応記念に天狗とツーショットです。

2−3人のグループと追いつ抜かれつしながら先に進みます稜線までの一気登りが、あまり先行グループにくっつきたくないという理由もあり(←言いワケ?)、な〜んと10分後にまた休憩。まぁ、時間はたっぷりあるさ。写真を撮るフリなどして時間をつぶし、前のグループにはずっと先に行って頂きましょう。

奥庭を巻くように道は続き、10:45 遥か上の稜線に一直線に上がる道の真下にやって来ました。稜線上に小さく道標が見えます。岩だらけのかなり急な所なので、ストックはしまい2本の手と足を駆使して、さぁ〜行くぞぉ〜。

先に行って頂いた先行グループは上の方で小さな点になって動いています。ここはこちらも休みなく、一気に上がってし天狗直下の登りまいましょう。

ガムシャラに登って、11:10 中山峠からの縦走路に合流しました。はぁ、ヤレヤレ。がんばった足にもようやった、よしよしとと声を掛けつつ、ちょっとお休み。稜線に出たとは言え、まだまだ、天狗の頂上までは急登やクサリ場が待ち構えています。気を抜かずに参りましょう。

ペンキや踏み跡を目印に、岩を越えて行くうちに先頭がアレ、この先どないして行くねん・・と止まってしまいます。よく見れば、右下に道が・・。ひたすら、上へ上へを目指していたら、本道から外れてしまったようです。こんな所で新道を作る訳にもい東天狗岳かず、1mほど下の本道に軌道修正です。

2ヶ所ほど短いクサリ場がありますが、上りの場合はなくても大丈夫かな。手掛かり・足掛かりでよじ登り、11:30 待望の東天狗岳に到着です。縦走路上という事もあり、東天狗の山頂は昔の若者で一杯。お弁当をゆっくり広げる場所もなさそうだし、これからまだ西天狗への上りがあるので、お昼はもう少し我慢です。

道標をバックの写真も順番待ちで、ゆっくり休む事も出来ません。記念写真を撮ったら早々に退散しましょう。11:55 一旦鞍部まで下りてここで、休憩です。鞍部から見上げても、相変わらず東天狗の山頂は人がテンコ盛りで、ちょっと突っついたら1人や2人、転げ落ちそうな位です。

西天狗岳山頂で12:00 最後の力を振り絞り、西天狗への道を登り返します。12:10 お疲れ様でした。今日最後のピーク、西天狗岳(2646m)に到着です。西天狗の山頂は、東の喧騒に比べウソの様にひっそりとしています。さぁ、お昼にしましょう。高見石小屋のお弁当は、ちらし寿司です。朝の洋食といい、お弁当にちらし寿司と言い、メニューに拘っている小屋とお見受けします。

南八つ方面は雲に覆われてはいますが、風で雲が流され、赤岳の頭が見え隠れしています。去年はあのテッペンから左のゴツゴツした横岳を歩いて硫黄岳まで行ったんやねぇ〜、よう行くわ〜などと言いながら、しばし遠くを眺めながら、去年の思い出話で盛り上がります。

天狗岳第1展望台13:00 最初は余裕・余裕と言ってましたが、それなりに時間も押してきました。なにせ、今までに既に休憩9回もしてますからっ!お気楽Bコース組が心配しないよう、そろそろ唐沢鉱泉へと向かいましょう。しか〜し、後は下りだけ〜と思ってたのが甘かった。何ですか、この急な下りは。しかも相変わらず岩がゴロゴロとしているし、ちょっと浮石でも踏もうものなら、転がり落ちるのは必至。慎重に下りて、13:20 水分補給の為足を止めます。ここからは、またもやストックはしまった方が良い岩場状態の道。

13:30 ようやく樹林帯の中に入った所で、一息つきます。13:45 第二展望台と書かれた標識を通過。14:00 風が吹き渡る所で休憩します。下るに連れ、左手の赤岳と横岳がビミョーにその姿を変え行きます。14:15 第一展望台に来ました。唐沢鉱泉分岐さっき休んだばかりですが、腰を下ろすのに丁度良さげな岩が、「座ってけ〜」と呼ぶので、仕方なくもう一度休憩です。

ここからはゴロゴロ岩の代わりに、木の根がはびこり、これまた少々歩き難い道が続きます。15:00 ようやく「→唐沢鉱泉」の名前が出てくる分岐に来ました。後、もう少し。持参した水分も、皆さんそろそろ尽きて来ているようですので、鉱泉まで一気に参りましょう。

な〜んて言ってたのに、15:45 沢の音が聞こえる森の中で、恐らく最後の休憩です。実に、本日14回目!最多記録達成です。最後の水も飲み干し、後がない状態で歩く事10分、16:05 唐沢鉱泉の建物が見えました。沢を渡る橋の向こうでは、お気楽Bコース組がお出迎え。黒百合ヒュッテで別れてから、6時間半後の再会です。

Bコース組の道も、大小の岩がゴロゴロと転がり歩き難い所もあったようですが、針葉樹の森の中、北八つの風情を十分堪能出来たようです。お昼には唐沢鉱泉に着き、ここでお弁当、そしてお風呂と、山のいで湯を楽しみながら、待っていたとか。これはこれで、素敵な山の過ごし方ですね。

Aコース組もさっそくお風呂で汗を流し、ビール片手に部屋のベランダから天狗岳を見上げ余韻に浸ります。通常のコースタイムの約2倍かけた「のんびり登山」でしたが、無事去年の無念を晴らしました。あ〜、それにしてもよう歩いたわぁ。

  

おまけ

(天狗のお花) 

 今日のお時間

高見石小屋 7:00−(休憩2回)−8:25 展望台 8:45−9:20 中山峠− 9:25 黒百合ヒュッテ 9:45−(休憩2回)−11:10 稜線分岐− 11:30 東天狗岳−(休憩1回)−12:10 西天狗岳 13:00−(休憩2回)−13:45 第二展望台−(休憩1回)−14:15 第一展望台−(休憩2回)−16:05 唐沢鉱泉

 今日のお風呂   唐沢鉱泉 (1泊2食 \11,500〜、入浴のみ \700)
         泉質: 二酸化炭素冷鉱泉
         効能: 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、慢性消火器病 等々 

 高見石小屋へ行く

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