昨日の夕方から雨は降り続き、朝、窓を開けると地面もベンチの上も真っ白です。えっ、ゆ、雪！？・・なワケはなく、夜明けの冷え込みで一瞬霜がついただけのようで、食事をする頃にはすっかり融けてしまいました。今日は下山して、「反省会」というもう一つの大イベントが待っています。
広河原に9時にタクシーを予約しているので、今朝はゆっくりめに5:45 出発です。3時間もあれば余裕で広河原に到着、広河原山荘でコーヒーの一杯も飲めるでしょうと思ったのが大間違い。そうとは知らず、小屋を出て二俣から大樺沢雪渓沿いのコースをのんびり下り始めます。二俣へ昨日通った連絡路を歩きますが、道沿いの一画が鹿害調査の為金網に囲まれています。そう言えば、右俣コースを下っている時も、すれ違った地元の方でしょうか、斜面を指して嘆いてられましたっけ。
いわく、「この辺りが鹿の道。コレが足跡。花だけが食べられているでしょう。木も幹と皮の間にある水分を含んだ薄皮を食べる為に、表皮をはいでしまうから、すぐ木が枯れてしまう。このままだと10年後には北岳から花がなくなりますよ」
里山では鹿害の話をよく聞きますが、こんな標高の高い所でも鹿は出没し、数も増えていってるんですね。無残に茎だけ残されている花の姿を目の当たりにすると、
初日に聞いたタクシーの運転手さんの話も実感できます。
6:10 二俣に到着、しばしの休憩です。雪渓脇で男女の登山者が二人、アイゼンをつけています。これから八本歯へと向かうのでしょうか、お気をつけて。こちらも腰を上げて雪渓沿いの道を下ります。雪渓が切れて谷を雪解け水がほとばしる様に流れている様は、なかなか豪快です。6:45 雪渓も一番末端になり、雪渓越しから見える北岳はこれが最後です。
道は谷沿いを行ったり、その上を高巻いたりしながら続きます。この大樺沢コースは、冬の間雪崩などで荒れてしまった道が整備され開通したのが、ついこの間の7月7日。川沿いで崩落してしまった箇所には、迂回コースが作られていますが、道幅が狭いと登ってくる人とのすれ違いが大変です。山のルール、登り優先は守らないといけないけれど、次々と上がってくる人たちを全部待っていると、日が暮れてし
まいそう。
またまた、グループが上がってきます。ちょっと脇に立ってどーぞお先に・・と道を譲ると、多いですからどーぞお先に・・の譲り合い。見たところ5〜6名なので、いえいえ先に上がって下さい・・と更にお勧めすると、「そーですかぁ、40名ほど居るんですけどぉ〜」 ひぇ〜、40名！？どこかの市が主催している登山ツアーのようです。ただ、40名と言っても、いくつかのグループに分かれているようなので、それぞれのグループの間隙を縫って、下りて行きます。
7:30 迂回路は沢を渡って対岸へ向かいます。すれ違い待ちをかねて、ちょっと休憩です。下りは余裕と思ってのんびり小屋を出て来ましたが、こんなにすれ違いで時間がかかるとは大誤算。タクシーが待っててくれるかちょっと心配になってきます。迂回路が終わり本来の道になると少し道幅も広がり、更に坂も緩やかになって来ます。時間がない時はこういう楽な所で時間稼ぎをすべし・・というリーダーの教
えを守り、少しスピードアップしましょう。
8:20 初日に歩いた尾根コースとの分岐に到着。ここまで来れば一安心です。8:45 足取りも軽く、広河原山荘横の登山口に戻って来ました。吊り橋を渡ってしまったら、車が行き交う下界に一気に戻ってしまいます。本当はここでゆっくりして、ギリギリまで山の余韻を満喫したい所ですが、予約した時間が迫っています。橋を渡りゲートの前で振り返り、北岳山頂の見納めです。ビジターセンターで荷物の整理をし、9:00丁度にタクシーとの待ち合わせ場所に到着です。
運転手さんが冷たいオシボリを用意してくれています。顔や腕を拭いて、ふ〜っ、気持ちイイ！それでは、お風呂へ直行して頂きましょう。アドバイサーを務めて頂いたゲストは、直接駅へ行かれるのでここでお別れのご挨拶です。遠ざかる北岳を背に走る車内は、これからの反省会に向けて英気を養うためか、とても静か。
今日のお風呂は市役所の裏という中心地にありながら、天然温泉のあるホテルです。貸切り状態でゆっくり汗を流したら、さぁ、反省会へGO！美味しい地料理を味わいながら、今回の山旅を振り返るのが、これまた登山の醍醐味。新幹線の時間まで、おしゃべりでもう一度北岳登山が続きます。
今日のお時間
5:45 白根御池小屋 − 6:10 二俣 6:15 − 6:45 雪渓末端（休） −7:30 休憩 − 8:20 大樺沢・白根御池分岐 −8:45 広河原
今日のお風呂 甲府・ホテル談露館 \1,050
泉質： 緩和性低張高温泉
効能： 慢性関節リュウマチ、腰痛、神経痛、痛風、慢性皮膚炎etc
