Aコースは当初西黒尾根を予定していましたが、「日本三大急登」の触れ込みに恐れをなし、更にコチラの方がマチガ沢の眺めが良いとの情報もあって、西黒尾根になんの未練もなく巌剛新道にアッサリ変更です。
朝食後、7:00 Bコース組と共に宿の車でロープウェイ駅まで送ってもらいます。出来ればマチガ沢出合まで送ってもらえば良いのですが、そこまで往復すると車の出入りがムニャムニャ・・とやんわり拒否されます。まぁね、そりゃ確かにムシが良いってものです。山頂での再会を約してBコース組と別れ、登山指導センターで冷たい水を汲み、A・B・Cコース全ての登山届けを提出したら、マチガ沢まで舗装道路を歩きます。これはこれで良いウォーミングアップです。
7:30 マチガ沢に到着。身支度を整え、元気な姿を写真に収めたら 7:40 出発です。最初は水がちょろちょろ流れる緩やかな沢状の道を上がって行きます。緑濃い樹林帯の中、水音も爽やかでなかなかイイ雰囲気。これからの長い登りに備えて、こまめに休憩を取ることにします・・と言うわけで、8:15 早くも最初の休憩です。山あじさいが暗い木々の根元で、紫の花を咲かせています。
相変わらず樹林帯の中を進みます。風の通りもなく、噂のマチガ沢の絶景はまだかいな・・と思っている所に、8:35 緩やかな曲がり角で突然目の前が開け、雄大なマチガ沢の雪渓と岩壁が現れます。ここが、第一見晴です。先ほどから抜きつ抜かれつしている単独者さんが、既に腰を下ろして休憩中。せっかく静かに絶景を楽しんでいる所に長居をするほどヤボなやまゆ会ではございません。写真だけ撮ったらもう少し先で休みましょう。
雪渓の下部は融けた雪の流れが集まって、大滝となって流れ落ちています。沢に響く滝の音を右手に聞きながら上がって行きます。心なしか雪渓からの冷気が上がっているようで、ようやく涼しい風が吹き抜けます。気持ちはいいのですが、この辺りから急登が始まります。
9:00 先ほどの大滝が大分下の方になってきました。急登だけあって高度を稼ぐのが早い早い。ここでちょっと休憩。しばらく行くと雪渓を背景にブナの大木の枝が沢に向かって伸びているという、写真好きにはたまらない格好の撮影ポイントに出てきます。さっきの見晴台ほど開けてる場所ではありませんが、せっかくなのでここで1枚。
その後も道は傾斜を増しますが、マチガ沢全景を堪能しながらの、眺めのイイ歩きが続きます。谷川と言えば岩壁ばかりにしか興味を示さなかったというか、登山道にはあまり期待してなかったリーダーも、「なかなかエエ道やなぁ」と、谷川岳の登山道を見直したご様子。
それにしても一ノ倉沢はあんなにクライマーを魅きつけるのに、マチガ沢の壁はとんと人気がないのはなぜ??取り付きが悪いから?と思ったら、リーダーいわく壁が面白ければ取り付きの悪さなんて関係ないそう。ふ〜ん、単に面白くないだけかぁ。素人目には一ノ倉沢もマチガ沢の岩壁も同じように見えますが、登る人には全く別物なんですね。
9:40 坂の途中ですが、再び休憩です。雪渓も殆ど真横になってきました。上部はほぼ融けかかっています。大滝は音はすれど、もうすっかり姿が見えません。
この辺りから道は岩場の連続に突入。谷側が崩壊して僅かの幅の道が斜めにつけられている箇所を、クサリを掴みながら歩きます。足を滑らせたら、けっこう下まで転がり落ちそうな斜面です。まっ、言うならばここが一番の難所でしょうか。後はクサリやハシゴ(といっても1箇所だけ)を駆使して高度を稼ぎ、10:10 西黒尾根との合流地点 ガレ沢の頭に到着です。
ふぅ〜、ようやくAコース前半をクリアです。しかし、見上げれば次の目標、ザンゲ岩は頭上遥か上です。ひとまずここでゆっくり休憩しましょう。吹き抜ける風が爽やかです。ザンゲ岩までの稜線を多くの人が行き交っているのが見えます。さっき追い抜かれた人がもうあの辺・・というのを見ると、案外この道、見た目ほど遠くないのかもしれません。
予定より時間が少々押しています。そろそろ出発しますか。オットその前に、11:50に山頂で合流のはずのBコース組にちょっと遅れることを連絡しておきましょう。ところがこんなに見晴らしが良いのになぜか携帯が通じません。結局ザンゲ岩を過ぎるまで圏外で、その間にBコース・Cコース組から何度か連絡があったようですが、結果的に全てムシ!の状態になってました。決して嫌がってたわけやないんよぉ〜。
右にマチガ沢からトマの耳、左に遠く天神平を見ながらザンゲ岩を目指します。巌剛新道では数人としか出会いませんでしたが、西黒尾根と合流すると登る人・下る人、さすがに多くなります。11:00 途中でちょっと休憩して更に岩を越えよじ登って、11:50 ザンゲ岩の近くで再び休憩です。日頃の行いが良いせいか、はたまた年々ひどくなる物忘れのお陰か、特にザンゲする事も思い浮かばず、ようやく通じ始めた携帯をもってアッチに行ったりコッチに行ったりと、少しでも電波状況がいい地点を求めてウロウロします。
途切れながらも連絡が取れたBコースリーダーによれば、既に登頂を済ませ肩の小屋で待機の模様。小屋の外からコチラの姿を見つけようと目を凝らしているようですが、さすがにまだ見えないでしょう。大急ぎで山頂直下の大きな道標の塔近くまで行き再度電話するものの、なぜかまた圏外で通じません。行った方が早いや・・と一人が小屋方面に下り、そこで直に声をかけてようやく連絡が取れました。
とりあえず先に山頂まで行く事になり、12:30 トマの耳に到着。これまた大急ぎでお弁当を食べたら肩の小屋まで下りてようやくBコース組と合流です。13:00 長い休憩を終えたBコース組は入れ違うように下山し、それに遅れること10分、Aコース組も出発です。
天神尾根は割れた石がゴロゴロと転がる歩きにくい道。谷川特有の蛇紋岩は滑りやすく、そんなに急坂でもないのに下りはけっこう疲れます。先に出発した者の意地でしょうか、上から見ると追いつかれてなるものか・・とばかりに休憩ポイントをすっ飛ばして一目散に下山して行くBコース組。こちらも負けじと飛ばして、13:40 天狗のおどり場で何とか追いつきます。逃がしなるものか・・フッフッフ。と、こんな所で先を争ってどないすんねん?!
14:15 待ちくたびれたCコース組と熊穴沢避難小屋で合流。これで全コース組がそろいました。追いかけっこ状態だったオジサンはここに来てお疲れ気味。その点オバサマ方はまだまだお元気。数時間振りの再会を笑顔で喜び合います。まったくオジサンはだめねぇ〜。
14:50 アメーバのように増殖したメンバー全員が無事に天神平に到着です。15:30に頼んでいたタクシーを1時間ずらしてもらい、下の駅でゆっくり冷たいものを頂くことしましょう。15:20 ベースプラザで待望のビールとアイスクリームで、乾杯です。全員無事を記した下山届けも提出しました。これで谷川岳登頂全て終了です。どちら様もお疲れ様でした。後はあの温泉でゆ〜っくり疲れを癒しましょう。
今日のお時間
マチガ沢出合 7:40 − 8:35 第一見晴 −(休憩2回)−10:10 ガレ沢の頭 −(休憩1回)−11:50 ザンゲ岩 −12:30 トマの耳(昼食) −13:00 肩の小屋 13:10 −13:40 天狗のおどり場 − 14:15 熊穴沢避難小屋 −14:50 天神平
今日のお風呂 法師温泉 「長壽館」
泉質: カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉(石膏泉)
効能: 胃腸、火傷、動脈硬化