沢歩きを堪能
六甲・座頭谷と赤子谷

昨日の大雨と明日の雨の予報に挟まれ、ポコッと奇跡的に晴れた梅雨の土曜日、少しゆっくり目に9:00 宝塚駅に集座頭谷入口合です。「今まで皆さんが歩いた事がないような道」とリーダーご推薦の六甲の沢歩きです。宝塚から出る蓬莱峡行きのバスは、大型ザックを担いだ人や、ヘルメット持参のクライマー、小さなデイパックの人などで一杯。六甲がいかに多彩なコースを持っているかが、良く分かります。9:30 しるべ岩バス停で下車し、「私有地につき立ち入り禁止」の看板の向こうにある、石造りのやけに立派な橋を渡ります。間違っても「私有地」(某信金の保養所)のフツーの橋を渡らないように。

橋を渡った先には、なぜか椅子が2客並べられ、ここに座ると蓬莱峡の裏側にあたると言う屏風のような岩山が眺められます。身支度を整えたら、9:40 先ずは座頭谷源頭を目指して出発です。今日のコースは殆ど道標がない沢歩きということで、いわゆるバリエーション・ルートのプチ版。ルートファイディングのお稽古も兼ねて、普段先頭を歩かないメンバーがトップを行きます。沢の右側に入らないように・・という注意を受けて歩き出しますが、最初は1本道なので大丈夫。

六甲はメインの道には立派な道標がありますが、その他にも縦横無尽に杣道があり、迷い出すと永遠に迷ってしまいそうです。そう言えば、毎日登山がもっと盛んだった頃は、麓に暮らす地元民のみが使う細い道が、メインルートに向って各町蓬莱峡の裏側内から延びていたような記憶があります。もちろん、地図には載っていません。う〜ん、勝手に作ってしまったのでしょうか。

今日の道は道標がないと言っても、赤テープやら青ビニール紐やらが木に巻き付いているので、これを目印に進みましょう。おっと、道が二手に分かれていますが、ここは「座頭谷→」と書かれた小さな標識に従って、右の道を行きます。

中途半端な幅と段差で歩き難い石段を上がって、広い堰堤を越すと、9:50 広い河原に出てきました。さぁ、ここからが本番です。石の目印気合を入れて休憩しましょう。バス停から見えた蓬莱峡の裏側が眼前に迫っています。

こういうだだっ広い河原では、目印にさりげな〜く石を積んだり、竿を立てたりしているらしいので、注意して歩きます。あっ、河原の真ん中に竿を1本見っけ!先に青のビニールテープが巻いてあるので、方角はこちらですね。

その先を進むと、「これも目印やな」とリーダーが指差す先は一見普通の石。でも、もう1個小さな石が乗っていて確かに人工物のようではあります。でも、これじゃ目印なのか、単に誰かが遊びで積んだのか分かりません。もう一つ石を乗せて、小さなケルン状態にしておきます。大切な目印になるので、良い子は河原で無闇やたらにあちこちで石を積むのは止めましょうね。

石や竿に誘導されて、左手の「棚越」の標識がかかった所から、一旦林の中に続く道を辿ります。しばらく行くと荒涼とした岩峰が林立する場所に出てきます。黒澤映画「隠し砦の三悪人」のロケ地にもなった場所です。まぁ、こういう座頭谷源頭所を昭和33年当時よく探し出したものですねぇ。

座頭谷はこの先右手に続きますが、せっかくですので座頭谷源頭へ寄ってみましょう。10:20 一段と奥まった所に滝のように水が落ちている、座頭谷源頭に着きました。ふ〜ん、これが源頭なんですね。川は源流ですが、沢は源頭なんや〜と感心したら、引き返して右手に進むと又々河原に出て来ます。

が、この先谷から抜ける出口が見つかりません。と、右側に流れる細い沢沿いにまるで門のように、両端の木にテープが巻かれているのを発見。やれやれ、ここか、でも沢の右には行かないよ迷いの沢うにとういう話だったのにな〜と、半信半疑で出て見れば、そこはホントに沢だけで踏み跡が途切れています。えっ、このまま沢歩きでっか? 反対側には道らしき道がありますが、これを行ってしまうと振り出しに戻ってしまうし、ハテサテ・・どないなっとんねん??

10:30 休憩がてら地図を広げて確認です。とりあえず河原に戻ってもう少し先に進んでみましょう。後ろの方で、「あっ、あれあれ、赤テープじゃない!?」と声が上がり、よ〜く透かして見るとこの涸沢を詰めた一番奥の木に赤いものがぶら下がっています。寄って見れば確かに山の中へと登山道が延びていて、少し先でさっきの行こか戻ろうか迷った沢が合流しています。ふ〜む、あの木の目印も間違ってはなかったんやね。

ここからは棚越林道を目指して樹林帯の中をひたすら歩きます。尾根筋まで一直線ではないかと思うような急坂を登っていくと、10:55 ようやく平坦な道に合流で一息入れます。その辺には、この先のハニー農園で使用したのか空の蜂箱が無造作に積まれています。ハニー農園の前を通って、しばらくは我慢の棚越林道、車道歩きです。

11:40 全山縦走路の大岩原山谷乗越にようやく到着。あ〜、車道歩きは退屈! 「山登り、タバコ吸わない、持ち込まない!」の看板前で、約2名、不敵の喫煙タイムを終えたら、宝塚最高峰「岩原山」へ向けて出発です。

縦走路は歩き易く、しかも今まで人っ子一人会わなかったのに、まぁ、人にすれ違う事!さすが全山縦走路です。ルンルンと歩いて行くと左手に、「岩原山→」の道標がありそこからほんの少しで、12:10 岩原山山頂に到着です。では、ここで待望のランチタイムと致しましょう。本日の下りは、更に本格的な沢歩きになるので、恒例振る舞いワインはお預けです。

12:55 岩原山を後に縦走路に戻り宝塚方面へと進みます。途中赤子谷の道標がありますが、上に手書きで小さく「右俣」と書かれています。今日は左俣を行くのでそのまま通過。左赤子谷のへつり股への分岐は鉄塔が目印なので、送電線が見え始めたら注意して歩きましょう。

13:45 左側に鉄塔が出てきました。赤子谷左俣への分岐です。ここから先はまたまた道標のない道、ちょっと覗くとけっこう急な下りです。足が不安やら、用事があるやらでここで3名がリタイア。最近「やまゆ会」名物となりつつある、Aコース、Bコースに別れて、宝塚のお風呂で合流する事にします。縦走路に戻るBコースを見送ってAコースも出発です。

谷へ向うのですから当たり前ですが、下る下る・・。転げ落ちるように下って行くと沢に出ますが、沢の脇を歩けばいいのか、ジャボジャボと真ん中を歩くべきか・・。数少なくない赤テープを探しつつ、岩と水と倒木が折り重なる赤子谷の沢歩きにいよいよ突入赤子谷ゴルジェです。

13:55 数段の滝状の流れの脇を下りてきて、ちょっと休憩。リーダー曰く、この先がこのコースのクライマックスだとか。クライマックスもええけど、その前にこの流れをどないして越すねん!沢の真ん中は昨日の雨でけっこう水量が多そうです。脇の岩壁に一応ロープが張られているので、壁をへつって高巻きます。足を滑らせたら、即ポチャン。無事通過してちょっと平らな場所に出ますが、その先には、14:15 ハイ、皆さん、ここが本日のクライマックス、赤子谷名物のゴルジェでございます。

幅が狭い分逃げ道はなく、沢の中心部は流れて来た岩や倒木に塞がれているので、流れの端を下って行きます。所々ロープもありますが、ビミョーに短くてあまり使えません。岩や倒木の枝の端を掴みながら下りますが、あ、足が届かへ〜ん!ようやくゴルジェを抜けて、あらためて見上げれば、上部にポッカリと空いた口から、青空をバックに緑の木々がこちらを見下ろしています。まぁ、こんな所、よう下りて来ました。

ここから先は、沢沿いの赤子滝道を歩けるようになります。あぁ〜、地面の上を歩けるって幸せ!また、大きな滝が出て来ました。赤子滝です。「赤子滝」と書かれた標識を見ると、だいぶ人里に近付いた気分になります。その後も、堰堤がいくつかありますが、小さな堰堤なので脇を巻かず、誰かが積んだ石を踏み台代わりにして、直接越えて行きます。14:45 右俣と左俣が合流する、ちょっとした広場に出て来ました。ここまで来たら、楽しい沢歩きもお終い。

道なりに進むと、行く手に門があり近付いてみると、しっかり錠がかけてあって開きません。おまけに門の上やら周囲の柵には有刺鉄線がぐるぐると巻かれて、出られず・・・。1ヶ所だけ有刺鉄線が切られている場所があり、そこをくぐってようやく抜け出します。 門の前に回ってみると、「立ち入り禁止」の看板がかかっていますが、検索してみると、どうも出入り自由→施錠→有刺鉄線と段階を踏んで登山者を入れないようにしたようです。先ほどの右俣と左俣が合流する場所はかっこうのキャンプ地で、確かにBBQ族に押し寄せられては困ります。が、施錠までは分かるけど、有刺鉄線はないんやないかい、○宝土地開発(株)はん!?

最初と最後に、「立ち入り禁止」の看板であまりイイ気分ではありませんが、普段は歩かない沢コースと初夏の万緑をたっぷり堪能した、六甲です。さてさて、それではBコースとの合流場所、宝塚のお風呂へ向いましょう。

 今日のお時間
9:30 しるべ岩BS−(休憩1回)−10:20 座頭谷源頭−(休憩1回)−10:55 ハニー農園 −11:40 大谷乗越 −12:10 岩原山 12:55 −13:15 赤子谷左俣分岐−(休憩1回)−14:15 赤子谷ゴルジュ −15:00 赤子谷入口 

 今日のお風呂    ナチュールスパ宝塚 (男性:800円、女性:1000円)
         泉質: 金宝泉 − 含炭酸・含鉄・含弱放射能‐ナトリウム塩化物強温泉
              銀宝泉 − ナトリウム‐塩化物温泉
         効能: 疲労回復、筋肉痛、神経痛


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