去年開通した、三宮〜奈良直通の阪神なんば線を利用して(使えないメンバーはごめんなさい)、今日は奈良まで行ってみましょう。最長乗車時間は、始発三宮から終着奈良までの1時間25分。西宮乗車のメンバーと共に、お尻がペッタンコになりそうと言いながら、近鉄奈良駅に集合です。当初はバスで破石バス停まで行く予定でしたが、お天気も良いのでのんびり春日大社を抜けながら歩きます。
9:30 駅で「てくてくまっぷ」をもらったら、先ずは猿沢の池に寄って、奈良に来た事を実感。一の鳥居をくぐって春日大社の広大な敷地に入ります。朝のまだ静かで清々しい参道を歩いていると、物欲しげにこちらを見つめる鹿の視線を感じます。ただ、鹿の方も、ザックを背負ったオジサさん・オバさんは修学旅行生ほどエサをくれないと分かっているようです。あまり愛想がないのも何なので、一つだけ鹿センベイを振舞ってあげましょう。心して食べるように・・。
10:10 二の鳥居の手前の売店から、新薬師寺方面へと右折します。10分ほど、「中の禰宜道」と名付けられた道を歩き、車道を渡ってもう1本南側の道を左へ行くと、今日歩く柳生街道・滝坂の道への入口です。始めは舗道ですが、道はその内古い石畳となって来ます。と、同時に少しずつ斜度も増して来ました。10:40 「妙見宮 五丁」とある石碑の所で、衣服の調整と称してちょっと休憩。この辺りから春日原生林が始まります。
そろそろ寝仏があるはず・・と見回すと、何の変哲もない石の下に、小さく「寝仏」と書かれた標識があります。ウラウラ・・と言われて後ろに回ると、確かに座した仏様が横になった姿が彫られています。これって、最初から横向きに彫ったんやろかぁと話しながら手にした「てくてくまっぷ」を見ると、どうも最初は普通に縦に彫ったのに、石が何かの拍子に転がって横になってしまったようです。
寝仏から間もなく、11:00 今度は夕日観音が左手のちょっと高い所に現れます。先行するグループが近くまで上がって行くので、こちらは下から見上げるだけで、先に進みましょう。渓流沿いの道を更に行くと、今度は川の上の岩に朝日観音が彫られています。真ん中が弥勒、左右が地蔵菩薩という3体の観音様ですが、夕日観音より近い所にあるのでかなりハッキリ見ることが出来ます。
ここの所雨の日が多かったせいか、横を流れる渓流・能登川の水量も多く、ちょっとした滝のようになってる箇所もあり、なかなか楽しめる街道歩きです。11:20 杉の大木に囲まれた広場に到着。ここにかの有名な首切り地蔵があります。ウソかマコトか、荒木又衛門が試し切りをして首が切られたというお地蔵様。確かに首の所が割れていますが、これだけの石をスッパリ切れるような刀が果たしてあるのやら。多分、切った刀の方も相当歯こぼれしているはず。切ったは良いものの、刃のお直し代が相当かかった事でしょう。散財でしたなぁ、荒木はん。
ここでしばしトイレ休憩をしたら、鶯の滝へ向かいます。滝坂の道とはここでお別れ。春日山石窟仏の標識がある道を辿ると、奈良奥山ドライブウェイに出て来ました。右へ行くと峠の茶屋のある石切峠。よもぎ餅が魅力的ですが今日は時間がないので、泣く泣く諦め反対方向へ。
12:00 鶯の滝へ通じる朱塗りの橋の分岐に到着です。橋のたもとに東屋もあるので、ここでお昼にしましょう。渓流を眺めながらの優雅な昼食ですが、陽が当たらないので寒い!水の音で更に寒さ倍増・・の気がします。直ぐ横に「春日原始林」の石碑がありますが、この辺りから橋にかけては陽がさんさんと降り注ぎ、とってもあったかそう。後から来た家族連れが、地面に座って陽だまりの中でお食事中です。う〜ん、正しい選択かも。
食事中には観光バスも上がって来て、確かにドライブウェイですがこんなに大きな車、よう上がって来たな〜とびっくりするやら感心するやら。定期観光バスらしく車体に「春日奥山めぐり」と書かれています。この先、バスは一体どこへ行くのでしょう。
朝、歩きにしたので予定より1時間ほど遅れています。鶯の滝へは寄らずこのまま若草山へ向かう事にします。せっかくだからと2名ほど鶯の滝見物に行ったメンバーが帰るのを待って、12:50 東屋を出発です。
再びドライブウェイを歩く事30分、若草山の駐車場が見えて来ました。駐車場でちょっとトイレ休憩。後は、こちらはお陽様たっぷりの若草山頂上へ上がるだけです。山頂からは眼下に奈良盆地が見渡せ、目を上げれば奈良市街の向こうにアンテナが林立する生駒山、左手には二上山、葛城山から遠く金剛山まで見えて眺めの良いこと。鹿にみつめられながら記念写真を撮ったら、段々と下りてみましょう。
若草山は別名三笠山と呼ばれますが、「三笠」は「三つ重ね」から来ているそうで、その名のとおりピークが三段階になっています。芝が緑の絨毯のように広がる中、山焼きの跡が残る道を下りて行くと、途中に関所のような小屋があり入山料150円也を徴収されます。最後のピークからフェンス沿いに下る道の脇には桜が咲き、急いで降りるのはもったいないくらい。大枚?150円も払ったのですから、ゆっくり春の若草山を堪能しましょう。
14:20 ゆっくり歩いても下に着いてしまいました。お風呂が15:00開店なので、ブラブラと近鉄奈良駅へ戻ります。朝の静かな雰囲気とは打って変わり、遷都1300年で盛り上がる奈良の街は人が一杯。賑やかな通りを抜けて 15:00 近鉄奈良駅に到着です。ここで帰るメンバーと別れ、お風呂組は駅から2分の銭湯「大西湯」へ。壱拾弐とか参拾六とか、昔ながらの漢数字で書かれた木製のロッカーにも、平城京の歴史の古さを感じ入る1日です。
今日のお時間
9:30 近鉄奈良駅 −10:10 二の鳥居 −10:40 妙見宮石碑 −11:00 夕陽観音 −11:20 首切地蔵
−12:00 鶯の滝分岐 12:50 −13:20 若草山 13:50 −14:20 奈良公園 −15:00 近鉄奈良駅
今日のお風呂 銭湯 「大西湯」 400円
泉質: H2O
効能: 懐かしぃ〜と感激