魚谷山

最近の天気予報は信用出来ません。前日まで曇り→雨の予報だったのに、来てみれば薄日が差すほどのお天気です。出町柳駅ではリュックを背負ったグループが比叡行き、鞍馬行きの電車に続々と乗り込んでいきます。9:15発の電車にまだ少し余裕があるので、知る人ぞ知る豆餅(豆大福)を買いに走るメンバーが・・。この時間から開いているのも驚きですが、既に行列が出来ているという報告にはビックリ!並んでも買おうというこの英断が、後々いかなる効果を生んだかは、また後のお話で・・。

最初の休憩9:40 登山者で一杯の電車が二の瀬駅に到着。今日は叡電ハイクの日で大勢の参加者が、参加証のリポンや地図を貰っている中、「違います、違います」と言いつつ人ごみの間を縫って行きます。ホームの反対側では某製薬会社がスポーツ飲料のキャンペーンで、500mlの冷た〜いボトルを配布中。「ハイクの参加者じゃないですけどぉ」「皆さんにお配りしてます」「あら、そ〜お、ラッキー!」で1人1本をゲット。9:50 さい先の良いスタートです。

ハイクの皆さんは夜泣峠へ向われるので、途中の富士神社までは御一緒。神社で簡単な説明があるらしく、人が境内に溢れんばかりに集まっています。同じコースでなくて良かった〜とつくづく感じながら、神社下の道を滝谷に向って歩き出します。

しばらくは夜泣峠への分岐広くゆったりとした山道をのんびり歩きますが、北山杉のメッカだけに杉の植林帯は、サウナ同然の湿気がこもっています。暑さというより湿気にやられて、10:19 ちょっと道が広くなった所で休憩です。さっきのスポーツ飲料で喉を潤しましょう。う〜ん、ウマイ!タダほどウマイもんはない!!

更に、北山杉の林の中を進みます。10:54 夜泣峠← →滝谷(二の瀬ユリ)の分岐は見晴が良い場所です。通過しようとするリーダーに、ここから先はまた植林帯で眺めの良いのはこの地点が最後・・という経験者の御意見でちょっと休憩です。何やら高札が立っているので読むと、先ほどの富士神社から滝谷峠まで2`毎に杭が立てられ、万一遭難した場合一番近くの杭の番号を通報すれば、即座に場所が特定出来るという仕組みなんだそうです。これからは杭の番号が段々と小さくなるのを励みに歩くことになります。

杉木立の二の瀬ユリ二の瀬ユリの「ユリ」とは、「山腹を巻く水平な道」という意味だそうで、しばらくは緩やかな登りが続きます。段々と細く険しくなって来たな〜と思う頃、11:45 ちょっとした広場にひょっこり飛び出て少し休むか・・となりますが、よく見ればここが貴船山です。目的の魚谷山まではまだ半分も来ていない距離と知って少々元気がなくなりますが、ここで登場するのが朝、出町柳で買ったあの豆餅。時間も時間で少しシャリバテ気味だったのか、あんこが入った作りたてのふあふあお餅と、適度な塩味のえんどう豆が美味しくて、大きな豆餅を一つ、ペロリと平らげてしまいます。

(注:豆餅にイチゴは入ってません。)

滝谷峠貴船山を下りて滝谷峠へ向う道は、このお餅パワーで早いこと早いこと。さっきまで杭の間隔がとても長く感じてたのに、何やら急に杭が飛ぶ様に後ろに流れ・・というのはちょっと大げさですが、12:22 あっという間に滝谷峠に到着です。ここからは直谷(すぐたに)への道を下りて行きます。

下り口から倒木があったり草が道に倒れこんだりして、あまり踏まれてないような道ですが、シダが生える鬱蒼とした沢沿いの道は、太古の原生林を思わせ、沢を左に右に渡りながら下りて行きます。12:40 楽しい沢歩き?が終わると林道に突き当たります。豆が谷(あずきがたに)出合です。さぁ、ここで昼食にしましょう。

食事をし豆が谷出合ていると、林道のカーブから真新しい4駆車が入ってきますが、こちらの姿を見てバックしていきます。しばらくするとカーブの陰からこれまた新品と思しきMTBを押した青年がやって来ます。聞けば先ほどの4駆車の持ち主で、これから山に上がるのだとか。足元を見れば素足にスポーツサンダルで、ここは初めて来たと言うのに地図も持ってないようなので、この先は右へ行っても左へ行っても沢だから、MTBは難しいんじゃないの?と地図を見せながら親切にアドバイスする私たち。「とにかく上がってみます」と出発して行った青年は、ものの10分程で「やっぱり行けなかった・・」と引き返してきます。初めての所なら、やっぱり地図くらいは持とうね、青年!

13:25 お腹一杯になったけど、まだ魚谷山はこの先です。重たくなったお腹を揺らして出発しましょう。

今西錦司レリーフ堰堤後ろの豆が谷に沿って上がって行きます。この夏の台風で流されて来たと思われる枝が、沢の合間にアチコチ引っ掛かってちょっと荒れている感じですが、それがまた深山幽谷の雰囲気をかもし出しているようです。深い森の中を何度か渡渉して登ると、13:43 ぽっかりと空いた広い場所に出て来ますが、ここに「北山からヒマラヤへ」の今西錦司氏のレリーフが説明板もなく、岩にひっそりとはめ込まれています。その著書「山岳省察」で、『遠征の夢にも私の魂は、北山をさまようであろう』と記した北山のパイオニアに敬意を表して、記念撮影です。

「柳谷峠→」と書かれた小さなプレートに従って進みます。滝谷峠までは懇切丁寧な道標がありましたが、直谷あたりからはテープばかりで素っ気無いほど案内がありません。でも、この無愛想さがあまり人に踏み入れさせず、今西氏を魅了した頃の北山豆が谷の急登の姿をそのまま残しているのでしょう。

沢にバシャバシャ入ったり、道なき山肌をがむしゃらに登ったり、けっこう遊べます。うっかりするとテープを見落として(進行方向ばかり見ていると絶対視界に入らないような所にあったりするので、要注意)、行き止まっては戻りつつ、14:14 ようやく柳谷峠に到着です。峠まで来ると再びしっかりした道標が現れ、魚谷山→の道標に従って歩く事15分、14:30 魚谷山山頂に到着です。

木立に囲まれて眺めはあまり望めません。三等三角点を真ん中に写真を撮って、ちょっと休んだら出合橋に向けて下山開始です。山頂から魚谷峠までは拍子抜けの10分。下り口左下に小さく出合橋→のプレート魚谷山山頂が架かっています。これから1時間あまりのタラタラした林道歩きは退屈そのもの。おまけに途中から舗装道路になり、最後はちょっと足に来る下山路です。16:00 出合橋少し手前でお迎えにきたタクシーと合流。朝、豆餅買出しと同時に調査しておいた出町柳のお風呂屋さんへ直行です。

先の「山岳省察」には、『北山は罪なるかな』という名言が残されていますが、子供の頃の冒険心を思い起こさせる、まさに「やめられない、止まらない」状態になりそうな楽しい道でした。(但し、舗装林道だけは何とかして〜な!)





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