
土・日の朝の湖西線は、山科を過ぎると乗客の殆どが、山登りの格好をしています。JRも登山口のある駅に臨時停車をして、サービスに努めますが、サービスはJRばかりではありません。江若バスも堅田駅から坊村まで、臨時便を出して次々と降りて来る登山客をさばきます。先着順となれば、改札からバス乗り場までダッシュ、人数分を確保したいグループや団体さんでは、順番を取った、取らないで朝から険悪ムードになっているのを、見かけることもあります。1本の臨時バスで、誰もがこれからの山歩きに心踊らすことが出来るのなら、結構なことです。
さて、我々も臨時バスのお陰で、予定より少し早目に坊村に到着です。以前、白滝山の例会の時もここで降りましたが、バスの回転場は広く整備されているわ、きれいな公衆トイレも設置されてるわ、なにやらすっかりきれいになっています。一度はゆっくりお昼でも食べてみたい比良山荘の前を通り、突き当りを左折して明王院へ。9:30 ここより山道へと入ります。5分ほどは緩やかな山
道ですが、段々とその斜度を増してきます。この季節、百花繚乱とはいかず、かといって紅葉にはまだちょっと早く、あまり面白味がないなぁ・・と歩いていると、薄紫の花がチラホラと目に入ります。野の花に詳しいメンバーに聞いてみると、なんとトリカブト!もう少し紫が濃いと思っていたのですが、場所や種類によって花の色も変わってくるとか。注意してみると、アチラにもコチラにも薄紫の花が咲いています。
とある斜面にはまさに群生といった風で、その間に咲く赤い花はまむし草。トリカブトとまむし草、聞くだに恐ろしい組み合わせです。昔事件があったわねぇなどと、ひとしきりトリカブトを話題に盛り上がっていると、とある奥様の冷静、かつこわ〜い一言。「少しずつ混ぜなアカンよ」 お心当たりの男性方、パートナーへの対応には充分にお気をつけあそばせ。
10:02 女性陣の話が聞こえたのか、男性陣の心優しい(?)ご配慮で休憩です。短い休みをもう1回挟んで、11:35 御殿山到着。はじめは標識に気付かず、ここがピーク846と思ったのですが、先着で休んでいた方達の陰に標識を発見。時間の目安の一本松も知らない内に通り過ぎて、ここまで来てしまったのですね。山頂からは目
指す武奈ヶ岳が、秋の青空の下、スッキリと形よく眺められます。
10分程休んで、武奈ヶ岳へ向かいます。ここは一気にワサビ峠への下り。もったいないな〜と思いつつ、11:50 ワサビ峠を通過。登り返して尾根に出ると見晴らしの良い本日のメインコース、西南稜を歩きます。御殿山のあたりから、時折鹿でしょうか、キューンと鋭い鳴き声が聞こえましたが、西南稜に出ると、武奈ヶ岳斜面に広がる森の中から、いっそう大きく聴こえて来ます。今日はお天気も良く、多くの登山者がいるので、鹿もせっかくの週末を邪魔されて、さぞかしご迷惑なことでしょう。
足下に可憐に咲く、紫のリンドウの花を楽しみながら、尾根道を歩いていきます。段々と武奈が近づいて来ますが、そこは比良山系の最高峰、そう簡単には山頂に辿り着けません。ちょっと登ってヤレヤレ山頂かと思うと、⇒武奈ヶ岳の標識が。あともうちょっとと歩き、所々現れる丸太の階段をよっこいし
ょと上ったり跨いだり、今度こそ山頂と思って出れば、のんびりお弁当を広げている方の横に、又もや、⇒武奈ヶ岳の標識が・・・。え〜、まだぁ〜?と思いつつ、最後の一踏ん張りです。
12:30 ようやく本当の武奈ヶ岳山頂に到着。山頂はお昼時とあって人が一杯。ちょっと下って今年の3月雪の時に上がってお弁当を広げた所と同じ場所で、お昼にします。山頂からの360度の眺めはモチロン素晴らしいですが、山の裾野にゆったりと広がる森を見下ろしながら、のんびりお食事するのも良い気分です。では、ここで一枚。あ〜、惜しい、頭からかぶったシャツで、せっかくの美貌がっ!あっ、そこのあなた↓身だしなみはお早めに。
たっぷり時間を取って、13:20 山頂を後にします。下りは、冬場アイゼンを付けて上がって来た八雲が原への道を帰ります。丸木橋や沢を渡って約1時間、八雲小屋に到着です。
八雲小屋への降り口には、今はススキが盛りに風に揺れていますが、もうしばらくすれば、このススキも刈られてスキーコースへと姿を変えるのでしょう。八雲小屋からは、八雲が原散策コースを通ってロープウェイ山上駅へ向かいます。散策コースとは言え、ここは最後に急登という落とし穴が待っている
のです。冬、小屋前でアイゼンを外してしまったメンバーは、この急坂で足を滑らせつつ、苦労して上ってましたね。
14:35 山上駅に到着。ロープウェイ・リフトと乗り継ぎますが、下るにつれ眼下に琵琶湖が迫って来ます。最近のスキー場ではとんとお見かけしないシングルリフトで、けっこう長い距離、しかもかなり高さもあります。今日はお天気だからいいものの、冬の吹雪いている時や、風の強い時は、さぞ寒いんでしょうねぇ。スキー場に行くにはこれしか足が無いのですから、否が応でも乗らざるを得ませんが、スキーやストック、靴などの荷物を抱えて、横から当たる雪に身体を縮こませて乗っているスキーヤーの姿が目に浮かびます。
冬場に乗られる方、滑り落ちないよう、気をつけましょう。
「武奈に登るには外せない道」とリーダーに言われて歩いてきた西南稜コース、りんどう、ススキ、そしてトリカブトと、秋を感じさせる、明るく快適な尾根道でした。
