本日は大人の遠足第3弾! 千利休の里 堺市めぐりです。茶道に造詣の深いメンバーが多い我が会、一度は利休の里 堺の街を歩きたいとの願いがようやく叶います。更に堺には日本一低い山 蘇鉄山があるのです。えっ、日本一低い山は天保山ちゃうの? とお思いのアナタ いえいえ 天保山は言うても二等三角点しかありまへん。こちら蘇鉄山は標高6.97mながらなんと一等三角点の山なんですねぇ。なので、正しくは「一等三角点のある日本一低い山」となります。 あ、因みに天保山ですが2011年の東日本大震災で仙台にある山の標高が変化し、実は2番目に低い山になってしまいました。ザンネン!
という事で、山歩きの会としては是非とも日本一低い山を登頂しないといけません。その前に腹ごしらえ 老舗のお茶屋さんで茶粥のランチを頂いてから歩きましょう。11:00 阪堺線の神明町に集合です。最近珍しくなった市電に揺られて車窓の景色を楽しみながら30分 広い道路の中央にある小さな停車駅で下りると、3つほど並んでいる椅子にチョコンと先にお着きのメンバーが座っています。次の電車でもう1名が到着。その内乗車するお客さんが1名やってこられます。これで駅は満杯。もう1名が少し遅れるようなので、先着の3名が駅のすぐ前のお茶屋さんへ入ります。
1850年創業の茶舗に併設されているレストランで、後の2名も合流してゆっくりとランチを頂きます。堺は古くからの港町で様々な交易の道が入り込んでいますが、お店の前の通り、阪堺線が通っているこの道はかつての紀州街道で、紀州との交易に使われていた道なのだそう。11:50 お店を出たらこの紀州街道を南下して行きます。途中、堺伝承館で刃物と染物の展示を見学します。堺の刃物は有名ですが、秀吉の時代から晒や染物の技術も発展し港から全国に市場展開したそうな。それ以外にもお線香や和菓子、おぼろ昆布などの名産・伝統技術の展示をじっくり拝見したら次に向かいます。
次の目的地は「利晶の杜」という施設です。利晶の利は千利休の利ですが、晶は何でしょう? 正解は与謝野晶子の晶なんですね。そう、与謝野晶子は堺の大店のお嬢さんだったのです。堺伝承館を出て利晶の杜を目指してしばらく歩くと右手にザビエル公園が出て来ます。ザビエル・・ またまた教科書で見た名前が出て来ました。ここは1550年に堺に来たザビエルをもてなした豪商 日比屋了慶の屋敷跡なんだそうな。
木々に囲まれた公園にはいくつかの碑があり、その一つが「堺鐵砲之碑」。種子島に伝わった火縄銃の製法が堺に伝わり、以降堺が鉄砲の製造拠点になったことを顕彰するために建立されたという事です。そう言えば、大河ドラマなどでも「堺の鉄砲」というセリフが良く出てきますね。因みに発掘調査で中世では海岸線がこの公園内にあると推定されるのだとか。中世と言えば戦国時代も入るので、秀吉の時代はここまで海だったのでしょうか、つまり豪商だった日比屋了慶の屋敷も海沿いに建ってたという事になりますね。
では、ザビエル公園を抜けて更に進みましょう。15分ほど歩くと与謝野晶子の生家の碑が出て来ました。この広い紀州街道を跨ぐように店が構えられたという事で、かなりの大店とお見受けします。この生家跡から5分で「利晶の杜」に到着です。ガラス張りの建物に入ると床一面にに堺の古地図が描かれ、スタッフの方に詳しくご説明頂きます。2階には千利休と与謝野晶子の展示室がありますが、今日は丁度山崎豊子展もしていて、3室じっくりと回ります。
千利休の展示室では利休の他にも当時隆盛を誇っていた信長、秀吉、家康更には堺の商人 今井宗久の声でそれぞれの立場から当時の境の様子が語られています。特に千利休は歌舞伎役者の片岡愛之助さんが演じられ、声だけながらなかなかの熱演です。たっぷり1時間半ほどかけて展示室を回ったら、次は蘇鉄山です。
14:50 「利晶の杜」の前のフェニックス通りを海に向かって歩き出します。南海線の高架をくぐって15:15 蘇鉄山のある大浜公園に入ります。公園の中を歩くこと5分 蘇鉄山登山口に到着。記念の写真を撮ったらいよいよ登山開始です。開始して3分、お疲れさまでした、蘇鉄山山頂です。では噂の一等三角点にご挨拶しましょう。説明板によると、一等三角点は元々は近くにあった御蔭山に明治18年に設置されたものですが、昭和14年にこの蘇鉄山に移されたそう。なんでも御陰山が鉄道敷設の為崩されてしまうので、一等三角点を蘇鉄山に動かしたのだとか。そんなことが出来るのですね。まぁ、言っては何ですがタナボタ的な一等三角点です。
山頂でコーヒーなんぞ飲んでいる内に段々と雲行きが怪しくなってきました。このあともう1軒鎌倉末期創業の甘味やさんへ行く予定でしたが、雨もポツポツと降って来たので今日はここでお終い。近くの南海線堺駅から本日の反省会場へ向かいます。駅までは堺港を眺めながら歩ける遊歩道もありますが、階段を上がらないといけないのでヤメ。道路を渡って駅へと歩いていると、遊歩道の向こうに手を振る銅像が見えますね。これは堺を拠点にフィリピンとの交易で大成功した呂宋助左衛門の銅像です。大河ドラマ「黄金の日々」でも有名な助左衛門ですが、後年その豪勢な生活が身分をわきまえてないと秀吉に家屋敷を没収されそうになったため、その前に財産を菩提寺に寄進してフィリピンに逃げたという当時としては斬新なお方です。
一説には実在しないとも言われている呂宋助左衛門。さて、本当に居たのか、本当に海を渡ったのか、ロマンをかき立てる人物です。という事で、今日1日で何人歴史上の偉人が登場したでしょうか。調べると堺にはまだまだ海外との交易港として栄えた痕跡が残っているようです。本日行けなかった老舗甘味やさんも含め、また訪れましょう。
本日のお時間
神明町駅 11:50 -12:00 堺伝承館 12:30 -12:45 ザビエル公園 -13:15 利晶の杜 14:50 -15:20 蘇鉄山 -16:00 南海 堺駅
本日の反省会 あべの 魚市