
鹿児島へ向って進む台風16号のスピードは遅く、夕方からは雨との予報ですがとりあえず集合場所の近鉄・桜井駅へ。車窓から見る大和の山々には灰色の雲がかかっていましたが、着いてみると少し風はあるものの薄陽も射しています。9:25発の天理行きバスはほぼ貸し切り状態。登山口のある柳本バス停で降り、バス停前の柿の葉寿司屋さんの駐車場をお借りして身支度を整えたら、9:40 出発です。
青々とした早稲が風に波打つ中、整備された道を先ずは長岳寺へと向います。山の辺の道と合流した後、長岳寺へ上がる道を右に分け「→竜王山城址」の案内に従って行くと、両側はまだ蒼味がかった固い柿が生る果樹園に変わってきます。果樹園を抜けたら本格的な山道へ・・と思った矢先、いきなりの急な岩盤の道です。岩には所々苔がビッシリと生え、雨が降れば即、川になるんだろうな〜と思えるような溝状の道を上がって、10:10 杉林の中で休憩です。
時折風は吹くものの樹林帯の中は蒸し暑く、早くも下山後のお風呂談義に花が咲きます。今日は飛ばし屋のリーダーが足首を傷め、調子が悪いと言いつつも、今の所は残念ながらいつものペース。足を傷めた場合、上りより下りに来ますから、今日はゆっくり下山を期待しましょ。
ようやく露岩がなくなったと思ったら、今度はヤブや潅木の枝を払いのけながらの道となります。ピンクのミズヒキソウが両側からしなだれかかり、まるで両開きのドアを開く様に左右に分けて進みます。今日のように風のある森の中は、樹々が色々な音を奏でますね。幹がこすれてギーギーと鳴いたり、枝の太さによってはキュ〜ンと鹿が鳴いているような音だったり、どういう組み合わせなのかコーンコーンと乾いた音が響くかと思えば、ザワザワと人が話しているようにも聞こえ、一人で歩いていたらちょっと惑わされそうで怖いかも・・。
途中、見晴らしの良い場所に、座り心地の良さそ〜うなベンチがあり、「ベンチ!ベンチ!」の声が後ろから掛かりますが、先頭から帰ってくる返事は「分かってます!」の一声のみ。そりゃ、確かにベンチであることは見れば分かりますわな〜。石に彫られた不動尊の前を通り、しばらく進むと長岳寺奥の院への分
岐に出て来ます。10:50 ここでちょっと休憩です。ここでも杉が風に揺られて、頭上でギーギーと音を立てています。
ロープが付いている急な岩の道を上がると、11:15 林道と合流します。出合った所にはきれいなトイレも設置され、大きな案内板もあるのですが、この案内板、どうもこれを背にして見るように書かれているらしく、方角を掴むのに最初ちょっと戸惑ってしまいます。ガードレールに架けられた「→竜王山頂」の小さなプレートに従って、しばらく舗装された林道を歩き、「南城跡」の道標から又山道へと入ります。この道は殆ど丸太の階段で整備されていますが、段差が低いのであまり苦労せず上がっていくと、徐々に山城跡らしき情景になって来ます。
11:30 石段を数段登って竜王山山頂に到着です。頂上にはなぜか丸太製のアスレチック風見晴台というかブランコのような遊具?が置いてあります。さっきの階段整備の際に丸太でも余ったのでしょうか??
586mの割には周囲に高い山がない所為か、奈良盆地から大和平野の眺めが360度見渡す限り広がっています。金剛山や生駒の山々を眺めながら城主気分でお昼にしたいのですが、風が強くお湯も沸かせないということで、石段下の広場でお弁当を広げます。
時折爽やかな風が吹き抜ける木陰で昼食を終えたら、12:20 出発です。先程の林道のトイレまで戻り、「→本丸跡散策路」の標識に従ってトイレ横の道を上がります。右下に林道を見なが
ら道なりに登って降りると、なんだ、また林道に出てきました。ほんとに散策路だけなんやね〜。
仕方なくこの林道を辿っていくと、古い案内板があり左に入ると北城跡、右はそのまま天理ダムへと林道が続きます。ここは北城跡経由で・・と左の道を取りますが、段々と道は細くなり、桜に囲まれている本丸跡らしき遺構に出て来ますがその先、ヤブに覆われて道がハッキリしません。最奥の北城跡に行き着いても、天理ダムへ降りるにはどっちにしろ引き返すしかないので、午後から天気も悪くなりそうですし、12:50 ここで先程の林道まで折り返します。
後はただただ、ひたすら林道歩き。山の中では少々の捻挫な
んぞ物ともしないリーダーですが、舗装された林道歩きではさすがに堪えるのか、13:10 弱気の休憩。
こちらも弱気のご相伴に預かり、石に腰を下ろしてゆっくりさせて頂きましょう。下に川の音を聞きながらしばし休んだ後、また歩き出すと天理ダムの最奥部分が見えて来ます。まだまだ池のようで親水公園にもなっていますが、道を進むにつれダムの様相となり、13:45 天理ダムバス停に到着です。
天理駅行きバスは14:17発なので、風に吹かれながらしばしバス待ち。乗り込んだバス運転手さんにお風呂情報を聞くと、沿線に銭湯はなく、やはり最初に予定していた健康ランドが最寄
のお風呂だそうで、天理駅では通常の降り場ではなくシャトルバスの乗り場に横付けしてもらいます。
シャトルバスに乗り継いで着いた健康ランドは、プールや宿泊施設も併設しているので、夏休み最後の週末を過ごす家族連れで賑やかなこと。それでも広いお風呂を楽しんで外に出てみれば、風は既に秋の気配を漂わせています。
山の中も夏のお花は終わり、初秋の花であるムラサキツユクサが道脇に咲いていて、まだ暑い日が続く下界より一足先に、山は秋に向っているようです。