七七頭ヶ岳

JR大阪駅のガード下中央郵便局側で見慣れた深いグリーンのマイクロバスに乗り込み、予定通り出発です。お昼過ぎから雨という天気予報を話題にしながら、名神高速道路に乗り目指すは湖北の木ノ本町。8:00 天王寺のトンネルを走り抜けて京都府に入ります。菩提寺パーキングエリアで休憩し待ち合わせのメンバーが乗車して、全員揃ったところで8:45 出発です。

米原から北陸自動車道に入ってしばらく走ると、正面に真っ白に雪化粧した金糞岳がそびえ、右手には雄大な山容の伊吹山がどっしりと。なんともいい眺めです。11月に登った金糞岳からの素晴らしい眺望が甦ります。渋滞もなく順調に高速道路を走り、木ノ本インターで降りて余呉町へ向かいます。上丹生バス停を通り過ぎ七七頭ヶ岳の麓、高時川沿いの道路横の空き地にバスを停めます。バスを登り始めの急登降りると、湖北の冷気がしんしんと足元から這い上がってきますが、目前に七七頭ヶ岳の美しく裾をひいた姿が見えます。

10:00丁度に出発。工事中のため、泥んこになっている道を歩いて野神橋に着きます。橋を渡らずに左に入り、川に沿って杉林を通り抜けると、小さいせせらぎが流れていてその先に急登が待ち構えていました。肩幅もないくらいの切れ込んだ狭い道を落ち葉を踏みしめながら登ります。豪雪地帯ということでバスの中では4〜5人がアイゼンを出し合って、装着方法を復習して雪に備えていたのですが、この様子ではアイゼンの出番はないようです。

尾根筋で一息バスを降り立った時に寒かったので重ね着のまま歩き出しましたが、そのせいか歩き始めて15分もすると、もう汗ばんできます。「暑いから一枚脱ぎたいな〜」という声もちらほら聞こえる中、「休憩は尾根に出てからにしましょう」と非情に言い残して、先頭はさっさと登って行きます。

その尾根に着くまでがなかなかで、10:30 やっと眼の前が開けて尾根に出ます。お待たせしました、休憩です!西側は雑木が伐採されて遠くの峰々まで見渡せて気持ちのいいこと。反対側は雑木林越しに横山岳が望めます。ここで、リー尾根道から横山岳ダーから心優しき一言「この道を下るので、しんどい人はここで待っとってもええよ」 う〜ん、まだ30分しか歩いてないし、どうしましょう・・・。

悩みながらも衣類の調整、水分補給を済ませて10:40 頂上を目指して足は自然と進みます。『頂上まで1000m』の標識が出て来て間もなく、鉛色の空から粉雪がちらほら落ちてきます。尾根道のジグザグ急登が続いて、雪も本降りになって来た頃、11:00 二度目の休憩です。

雪の登山道登りが緩くなったあたりから道に残る雪も多くなってきます。踏み跡を辿って歩くのですが、雪が緩んでいる箇所ではズボッと雪の中に踏み込んでしまい、ヒャー!キャー!!と賑やかにあちらこちらから悲鳴が上がります。

ここでリーダーのありがた〜い一言。「そーっと置かんと、踏みつけるように」 踏みつけて雪を固めてしまうということですね、なるほど。

空に向かって大きく枝を伸ばした樹齢200年くらいの雪の登山道その2?堂々たるブナの樹が見えてくると、急に雪が多くなり一面の銀世界。なだらかになった雪道に足を取られないよう神経を使いながら行くと、山頂のお堂の屋根が見えてきます。

11:30 頂上に到着です。七七頭観音を奉るお堂も雪の中で寒そうに建っています。「10分ほど休憩して昼食は下山してからにします」 は〜い、分かりました。七七頭ヶ岳という名前の由来は、上丹生、菅並、摺墨の七つの尾根を集めた頂山頂の西林寺きの意だそうで、地元では「丹生富士」とも呼ばれているとか。まさに今その頂きに立っているんですね。メンバーの奥様手作りのバターロールを頂いて、ご馳走さま〜!

さっ、次は記念写真です。ザックの上にデジタルカメラをセッティングしてみんな揃ったところで、あれっ『MUSUBU』の旗は?今日はお家でお留守番のようです。旗なしで撮影終了、何か忘れ物をした気分で、11:40 降りしきる雪の中を出発です。

山頂で記念写真滑らないように気をつけて小走りに下ります。

ブナの大木には枝の途中にコブが出来ているのが見られます。湿気を含んだ重い雪が降るために細い枝が折れ、その傷を時間をかけて治した痕がコブになるそうです。そう云えばどこかの山でも、幹が「す」の字になっているブナを見かけた事があります。これも雪の重みがなせる技なのでしょうか。厳しい自然の中でブナの樹が過ごした時空間を垣間見るようで、興味深い姿です。

雪も止んで12:05 尾根で休憩です。足元に「いわかブナの瘤痕がみ」の青々とした葉が目に留まります。よくみると放射状に拡がった葉の中心に、薄っすらとピンクがかった固い蕾が春を迎える準備をしています。天気は雪から雨へ移り、パラパラと落ちて来た雨に慌てて出発です。

落ち葉の下にはぬかるんだ泥土とか、滑りやすい岩がひそんでいて急な下りで、何度かコケそうになります。危ない、危ない。雑木林から杉林に入ると谷あいから水の流れる音が聞こえてきます。やがて、水しぶきをあげながら流れる、清冽な高時川が見えてきます。

12:25 橋のたもとに到着です。雨の降りしきる中足早になりつつ高時川に架かる橋を渡り、七七頭ヶ岳に別れを告げ、待ち合わせのバスに乗り込みます。ワカサギ釣りを楽しむ人や、天女が羽衣を掛けたという柳のある「余呉湖」を右手にみながら国民宿舎へ。お風呂と昼食をゆっくり済まして余呉湖を眺めながらの談笑。鏡湖と呼ばれるだけあって静かな湖面には、水鳥が多く遊んでいます。羽衣伝説が似合う自然が残る、湖北の山行きでした。






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