
この秋一番の冷え込みで、車窓から見える田畑には白く霜がおり、山裾から朝霧が立ち、晩秋の風景が広がる。空は何処までも青く、高く、今日の山への期待が膨らむ♪ 集合場所のJR篠山口駅から2台のタクシーに分乗して出発。のどかに広がる田畑には、収穫前の黒豆がたくさん並んでいる。「朝霧が出てる日は、エエ天気になります」と地元のタクシードライバーの天気予報に、乗り合わせた女性メンバーはニンマリ!
30分くらいで、おおたわの駐車場(512m)に到着。風が冷たい。小金ヶ岳までの標高差は214mあまり。軟弱コースとはこれを指していたのか・・・なんて考えていると、なんと目の前に強風に乗ってお札がヒラヒラ3枚、いや5枚ほど飛んで来るではないか!「あら〜っ」と、慌ててお札を追っかける会計さん。何とか取り押さえてヤレヤレ。タクシーの料金を精算したり、お札を追っかけたり、会計さんも大忙しだ。
9:40 挨拶を済ませたら、精鋭1名、自称精鋭7名はまず東の小金ヶ岳の山頂を目指す。暗い杉林の中を黙々と登り、やがて明るい広葉樹の道。赤や黄色や色とりどりの落ち葉を踏みつつ登って行くと、冷たい風に縮こまっていた身体も汗ばんでくる。10:00 1回目の休憩。水分補給したり衣服の調整を済ませて出発する。「山歩きにはこれくらいの気候がええわね〜」ときつい鎖場を前に余裕?の会話。いよいよきつい登りに差し掛かり、鎖をしっかり掴んで慎重に一歩一歩進む。
10:30 前方が開け大きな岩が立ちはだかった眺めの良いポイントで、2回目の休憩。岩場の上から、「ここの方がもっと眺めが良いよ」と声がすれど、高い所が苦手な私はご遠慮する。深まりつつある山の錦秋を堪能して岩場を少し下る。ここからは小金ヶ岳のハイライト、岩尾根が続く。足場をしっかり決
めて鎖を頼りに登る。緊張の連続で、少しはお尻も引き締まったか?岩場を過ぎて、大きなヒカゲツツジが群生している潅木の中、最後の急登だ。
10:45 小金ヶ岳山頂に到着。大きな方位盤があり、晴れ渡った秋空のもと、山の名前を確認しながら展望を楽しむ。北に青葉山〜由良が岳、東に雨石山〜櫃ヶ岳、西に白髪岳〜松尾山など登った事のある山の名前もたくさん記されている。山頂から見える葉が落ちた木立の中、山帰来の実の赤が一際映えている。別のルートから、7〜8名のグループが登ってきて、山頂は急に賑やかになる。同じ道を下る様子なので、さっさと集合写真を撮って先に出発する。
あの鎖場を下るのか、と考えると足取りは重いが、そんなこと
言うてられまへん。さぁ、気を引き締めて行こう。早速に急な鎖場が出現。「登った所や」 そう、登りの時と景色が違って足がすくみそうだ。先輩の足を置く場所をよ〜く見て。
一ヶ所、二ヶ所、クリアした所で後から来るメンバーを待つ。みんなが揃い、残った急な鎖場も無事に下り、11:20 休憩、やれやれ。上の方から山頂で一緒だったグループの声か追っかけて来る。「先に行ってもらうかなぁ?」「いや、おおたわまで20分くらいやから下りてしまおう」というリーダーの一声で、休憩もそこそこに出発する。11:45 おおたわの峠に到着。ここで、トイレを済ませて気分もスッキリ、西に待ち受ける多岐アルプスの主峰「三岳」に向かう。
少し歩くと、なが〜い階段が待ち構える。チラッと見上げると、殆どまっすぐに天まで届くかと思うくらい続いている。フェイク丸太で出来た段と段の間に、後から加えられたような板の段が置かれ、どっちにしても足を引っ張り上げて一段ずつやっつけるしかない。頑張って登ろう。やっと3分の2くらい登った頃、後ろからの「休憩は?」の声。しかし、先頭のリーダーの耳には届かず、ここら辺から四つんばいで階段を登っている2番手を行くメンバーも、「ここで休んだら、かえってしんどいよ」と言うことで、休憩はナシ。
やっとこさで階段は終わり。しかし、未だなかなかの急登が残っている。12:20 広場に到着(私なんざ、ここが山頂ですかなどと言い・・失笑)。しばしの休憩で 12:30 出発。「山頂はまだかいなぁ・・お腹空いたぁ」等と言いつつ15分ほどで見覚
えのある役行者が祀られている石室に到着。
ここにザックを置いて30mほど先の三岳の山頂へ。集合写真の後は、石室のある場所に戻り、陽だまりで昼食にする。今日のワインは、ボジョレヌーボー!すみれと苺の香りが爽やかで、お弁当が一段と美味しい!いつもご馳走さま。
ここで、計画書にあった「三岳山頂から帰路のタクシーを呼ぶ」をリーダーが実行。これで、火打岩のバス停まで帰ればタクシーが待っててくれる。13:40 皆さん満足げな表情で出発する。大岳寺の跡までのきつい下りの途中に視界が開け、先ほど登った「小金ヶ岳」がパっと目に飛び込んできた。紅葉と岩峰が織りなす山容をしばし眺める。
14:10 膝に疲れが出て来た頃、「水のみ場」と標識のある場所で5分休憩。14:25 鳥居堂跡を過ぎ、雑木林の中を行くと、「火打岩バス停」の道標がある三叉路を左に折れて、あとは薄暗い杉林を通り抜け、予定より少し遅れて、15:00 タクシーが待つ火打岩バス停近くに到着する。
山頂で一緒だったグループも先に山を下っていて、何やらタクシーを頼んでいる様子。ここは一足お先にと、予約のタクシーに乗り込む「やまゆ会」の面々。山頂からの電話がここに来て、大きく差をつける。世話役の先見の明、アッパレである。「車って、楽やねぇ、嬉しいわぁ」 疲れた身体に、足に、普段は当たり前に乗っている車の有り難さに気がつくのであった。
JR篠山口駅に着くと、タイミングよく31分発の快速がありこの電車に乗り込む。宝塚で途中下車組と、まっすぐ帰宅組に別れ、変化に富んだ晩秋の山歩きは終了だ。
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本日のお時間
9:40 おおたわ −(休憩2回)− 10:45 小金ヶ岳 −(休憩1回)− 11:45 おおたわ −(休憩1回)− 12:45 三岳 13:40 −14:25 鳥居堂跡 −15:00 火打岩バス停
本日のお風呂