本日の山は「じゅぶせん」。「わしみねやま」ではありません。余程の物知りでないと読めない山名ですが、その歴史はかなり古いようです。修験者の山でもある鷲峰山をめざし、8:30 宇治駅に集合です。駅前からバスもありますが、本数が少ない為今回はタクシーを利用します。バスだと維中前バス停止まりですが、何せタクシーなので行ける所まで行ってチョーダイ。但し、本当に行ける所まで・・となると山頂に着いてしまうので、さすがにそれは止め。最終的な登山口である大道神社でタクシーを降ります。それでも、これで30分ほど短縮です。
鳥居前の見事な紅葉を眺めながら支度を整え、9:15 大道神社を出発して旧登山道へ入ります。登山道と言っても車が通れるほどの広い林道で、のんびり歩いて行くと、10分ほどで「五丁」と書かれた石柱のある分岐に来ました。右の道はクサリで通行止めになり、しっかりと「松茸山」「立入り禁止」の標識があります。そんなんわざわざ書かんでも、かえって盗まれるんちゃう? などと言いながら左の道を上がります。
林道のような登山道は、幅があるので見た目気付きませんが、けっこう斜度があり歩いてみるとそれなりにキツイ坂道です。最初はおしゃべりの声も聞こえてきましたが、その内無口になり 10:10 ほっと一息休憩です。いやぁ、疲れましたわぁ。木々の合間から見える京都の街並みや、まだ青々とした木が多い中、何故か1本だけ真っ赤に燃えるモミジに感心しながら、相変わらず続く坂道を登って行きます。
カーブする度に、そこを曲がれば休憩小屋かなと期待しますが、小屋はなかなか現れず、15分ほど歩いてようやく東海自然歩道との合流点、休憩小屋に到着。きれいなトイレに入りがてら、ザックを置いて長めの休憩です。
じっとしていると寒くなるので、10分ほどしたら出発です。10:55 車道に出て100mほど歩くと、左手に車道と別れ金胎寺へ通じる道があるので、ここを上がります。舗装されている坂道をせっせと登ると、11:05 金胎寺山門です。山門前の紅葉が見事なので、山頂ではありませんが本日はここで記念写真。カメラをセットしている間に、山門の向こうを覗くと、休憩所風建物の引き戸に、「甘酒」の張り紙がヒラヒラと手招きしています。
写真を撮ったら、張り紙に引き寄せられるように休憩所内へ。身体も冷えてきた事やしぃ〜という理由で、甘酒をご注文!この金胎寺は伏見の一言寺というお寺が管理しているそうですが、常駐?の住職さんが居ないので、鷲峰山の環境保全グループの方がボランティアでお世話をしているのだとか。今日の甘酒を作ってくれた方もボランティアなのでしょうか。生姜の入れ具合が絶妙のおいしい甘酒を頂いていると、あまり人が来ないので話し相手が来た!とばかりに、お寺の歴史を色々と教えてくれます。
甘酒のあとは社務所裏手に回り、そこからお茶畑や周囲の山々を眺めながら、和束のお茶自慢やら、再びお寺の歴史を熱く語って頂きます。大変ありがたいのですが、熱心すぎてタクシーで稼いだ30分あまりをここですっかり費やしてしまいました。
最初こそ、へぇ〜、ほぉ〜と感心して聞いていましたが、段々と時計が気になりだします。心なしか身体が後ずさりを始め、そろそろ切り上げて欲しいというサインを出しまくって、ようやく解説も終了。山門前から本堂に上がる道へ入ります。
わずか3分ほどで本堂がある境内に到着です。振り返れば、道沿いの紅葉が陽の光を受けて透き通るようにキラキラと輝き、まぁ、見事な事! 思わず、うわぁ、キレイィ!と歓声が上がります。山頂は多宝塔から更に上がった所で、宝筺印塔と小さな標識があるだけの狭い場所ですが、京都側の眺めは、琵琶湖と京の街はこういう位置関係なのねぇ〜というのがよく分かります。お弁当を食べるには狭くて、しかも風通しが良すぎるので、お昼は先程の境内まで戻っていただきましょう。
境内のベンチはほとんどが日陰。唯一本堂の階段にポカポカと陽が当たってますが、遠慮して日陰のベンチを選ぶ人が多い中、本堂の階段に座るお二人。「そんなとこ座ったら罰が当たるでぇ」と冗談を言っていたら、ほんとに当たりました、バチに・・じゃなくて、ハチに。どうも庇の辺りに巣があるらしく、お弁当を食べている二人の顔周辺をブンブン飛び回ります。たまらず移動してきたら、ハチも居なくなりました。これは、ただのハチではなく、神からの使いなのでしょうか・・。
下りはさっきの熱いボランティアさんが、JR加茂駅への道を薦めてくれましたが、京阪利用のメンバーが多いので、予定通り湯屋谷コースを下ります。12:50 本堂の裏から湯屋谷の矢印に従って下りて行きますが、けっこうな急坂です。途中一等三角点がある釈迦岳へ寄るはずでしたが、知らぬ間に分岐を通り過ぎ、そのままひたすら湯屋谷コースを下って行きます。濡れ落ち葉の下に小さな岩がゴロゴロしているので、慎重に歩きましょう。
13:15 ちょっと休憩して、更に下って行きます。落ち葉の下の岩には苔がついていて、これがまた滑る滑る。そろそろと下って、14:05 茶宗明神社の屋根が見えて来ました。やれやれ、これで滑る道ともお別れだわ・・とほっとしますが、最後にこれまたいかにも滑りそうな丸太の橋がかかっています。短い橋ですが油断は禁物。恐る恐る渡って茶宗明神社に到着です。
茶宗明神社は宇治のお茶を江戸に売り込むルートを開拓した永谷宗円を祀る神社で、その子孫が江戸ならぬ東京で「永谷園」を創業したのだとか。代々宇治茶の営業マンの家系なんですねぇ。神社のお隣には、宗円の生家を再現した建物があり、中では宗円と宇治茶の歴史をビデオで流しているようです。係りの人に声をかけられますが、タクシーを呼んでるので今回はパス。湯屋谷のバス停近くで待機していたタクシーに乗り込み、朝出発した京阪宇治駅へ戻って、今日のコースはおしまい。緑の中に浮かぶ鮮やかな紅葉が、一際華やかに映った鷲峰山です。
今日のお時間
9:15 大道神社 − 9:25 五丁の石柱 −10:30 観音山休憩所 10:40 −10:55 林道出合 −11:05 金胎寺 11:50 −12:05 山頂 12:50 −14:05 茶宗明神社
今日のお風呂 なし