今まで歩いていたようで歩いてなかった、京都1周トレイル。東山36峰の始発点、伏見稲荷から蹴上までの東山コースをまずは行ってみましょう。集合場所の伏見稲荷駅はひっそりとしてて、約1ヶ月後の月末には年始客で大賑わいになる前の、つかの間の静けさといった感じです。9:10 凛とした秋の朝の空気に包まれた伏見稲荷で、まずはお参り。有名な千本鳥居をくぐって奥社まで上がります。ここでちょっとトイレをお借りしたら、京都1周トレイル標柱「東山1」から、トレイル出発です。
そして、ここから稲荷山山頂へと向かう道が、今日一番の難所と聞かされます。えっ、神社の境内なのにクサリ場や梯子が?!・・いえいえ、何が難所かってとにかく延々と続くこの階段!階段も続くが鳥居も続く。
山歩きでは、すれ違う時「こんにちは」と挨拶するのが慣習となっていますが、朝の稲荷大社ですれ違えば、「お早うございます」と挨拶するのが習わしなのだとか。確かに、すれ違う人すれ違う人、外人さんまでちゃんと「お早うございます」とご挨拶されます。
赤鳥居の両脇は木々が鬱蒼とおい茂り、まさしく「鎮守の森」。深い緑と紅い鳥居のコントラストが外人さんにはいかにも「ジャパニーズ!」なんでしょうか、何人もの外人さんを見かけます。それにしても、よう続くなぁ、この階段。そろそろウンザリ(←なんちゅう罰当たり)してきた頃、9:45 眺めが一気に広がる四ツ辻に到着です。
左右の瞳の色がそれぞれ青と茶の、真っ白な神社ネコが1匹、鳥居のそばでまったりとしています。近くにドサドサとザックを置いてもビクともせずお休み中で、なかなか人馴れしているお猫さまです。
ここで一息入れたら、稲荷山山頂へ最後の一登り。二ノ峰〜一ノ峰と又もや階段が続きます。途中にはお休み処というか茶店から朝の仕込みでしょうか、鰹だしの良い香りが漂ってきて、ついつい吸い込まれたい気分。誘惑や煩悩を振り払ってようやく稲荷山山頂に到着です。山頂と言っても階段を上がり切った所に祠があるだけで、三角点はありません。お参りを済ませたら、四ツ辻に戻りましょう。
10:15 またまた神社ネコさまの側にザックを置いて休憩です。誰かが飴の袋をガサガサと取り出すと、さっきまでまったりしていたネコさまが急に起き上がり、すり寄って来ます。どうもこうして参拝者からお裾分けを頂いて生活しているようですが、そこは厳しい我がメンバー。キッパリと一言、「ない!」。動物というのは短い言葉の方が理解し易いのか、その内諦めて定位置に戻って行きます。こちらも先を急ぎましょう。
本来なら次の行き先は泉湧寺ですが、ここまで来たので東福寺に寄ってみます。紅葉真っ盛りの時は渋滞が出来るほど混雑しますが、今日ならまだ空いてるかもしれません。東山3の標柱がある鳥居をくぐって下り住宅街に入ったら、建ち並ぶ大豪邸を見学しつつ、東福寺方面へと歩きます。
長い土塀が見えて来ました。東福寺です。紅葉にはまだ早いですが観光バスや観光タクシーが結構集まっています。東福寺の中を突っ切ってJRの駅方面へ出ると、当寺が経営している保育園で何やら人だかりが。今日はバザーの日らしく、ちょうど園児が太鼓の演奏を披露しています。
ちょっと覗いて小さいながらも力強いバチさばきを見学したら、泉湧寺に戻りましょう。再び住宅街の中を歩きます。トレイルの標柱はありませんが、そこここに「泉湧寺」の案内板があるので、見落とさないように。学校脇の細い道を辿ると右手に泉湧寺が見えますが、入山料を取られるのでパス。11:10 正面の今熊野観音寺でちょっとトイレ休憩をします。
こちらも紅葉で有名なようですが、まだ早いとあってガランとしています。それでも既に色づいている木々もあり、それなりに見応えがあります。それでは先に進みましょう。
入ってきた道を戻り、観音寺に通じる橋の下を通る道へと入ります。またまた住宅街の中を歩きますが意外な所に1周トレイルの案内板があるので、まるで宝探しのような気分でキョロキョロしながら歩いてしまいます。
どんな案内板かと言うと、こ〜んなのとか↓あ〜んなのとか↓
こんな案内板に導かれて、11:45 標柱東山11がある京都市水道局今熊野ポンプ場脇から、久々の山道へ入ります。入ればすぐに周囲は深山の雰囲気。静かな山道です。12:00 東山12の側でちょっと休憩。
ここからは下り気味になって、12:10 東山13のある国道1号線に出てきます。トレイルの続きはこの国道を渡ったお向かいにあるのですが、さすがに車がビュンビュン走る国道を横切る事は出来ません。一旦西向きに進み、渋谷街道へ入ると直ぐ地下道へ続く道があります。国道の下をくぐる地下道を通って、反対側に出ました。
東山18-1から清閑寺を通って再び山道に入ります。この辺は既に清水山への上りにかかっているようです。下れば賑やかな清水寺界隈ですが、その直ぐ裏手にもかかわらず深い森の中を延々と歩きます。
12:40 トレイルからちょっと外れた所に清水山の山頂がありました。標高243m、ちゃんと三等三角点も鎮座しています。ただ眺望がなく広くもないので、この辺りでお昼を・・と思ってましたが、もう少し先に行ってみましょう。お腹空いたようぅ〜。
清水寺との分岐地点は広々とした場所ですが、如何せんここは道の上、お弁当を広げるわけにはいきません。13:00 少し下ると東山19の標柱の側に東屋を発見。ここでやっとランチタイムです。この辺りは「高台寺国有林」と呼ぶらしいのですが、東屋のあるこの場所は山に囲まれた底の部分になるので、日陰の上に湿気があり、苔やキノコが成長しまくりです。
お湯を沸かして熱いカップ麺やコーヒーを頂きますが、じっとしていると身体が芯から冷えてきそうです。13:45 そろそろ切り上げて将軍塚へ向かいましょう。東屋の向かいにある東山20から山道を上がって行きますが、直ぐ上から何やら賑やかな人の声も聞こえます。5分もしない内に将軍塚に到着。そしてその先には、太陽の陽射しが燦々と降り注ぐ開放的な東山山上公園が目の前に広がります。公園のベンチに座ればポカポカとあったかそう・・。さっきの寒ぅ〜くて冷たぁ〜い東屋はなんだったんだぁぁ!ここでお昼にすれば良かった、トホホ。いつもながら後5分が待ちきれない「やまゆ会」です。
ここでトイレ休憩しつつ展望台へ。遠くはちょっと霞んでいますが、手前に置いてある案内板と照らし合わせて山座同定・建物同定です。あれやこれやと指差し確認を終えたら、蹴上方面へ下ります。
トレイルの標柱を辿って行くと、右手にネット柵が続き柵の向こうでは芝生の上で子供が遊んでいます。こんな所に公園?と思っていたら、京都に詳しいメンバーが「都ホテルに庭違う?」 ご名答!確かに旧都ホテルの広大な庭の一部でした。本日のゴールも近付いています。
14:30 道なりに進むとそのまま尊勝院に到着。丁度特別拝観をしていましたが、時間もないし(お金もかかるし!)でパス。粟田口へと更に下って行きます。この下り道が苔むしていて滑り易く、街中と思って油断しるとアブナイ、アブナイ。
料理旅館として有名(らしい)な「粟田山荘」を通り過ぎて三条通に出る前に、せっかくですから粟田神社にも寄って行きましょう。14:45 最後の難所?の坂道を上がって境内に入ると、東山展望台に勝るとも劣らない良い眺めです。
正面に平安神宮の赤い鳥居があり、その横のクラシックで重厚な建物は京都市美術館。奥には南禅寺の立派な山門が見え、遠くには京都トレイルの続きである比叡の山々も眺められます。さて、これで京都1周トレイル東山コースはひとまず上がりです。恒例お風呂探しは京都の花街に夜な夜な出没するリーダーの、いきつけの湯へ。修学旅行生や観光客が闊歩するこんな所に銭湯が!とビックリ。リーダーいわく、ここで身も心も清めて祇園に繰り出すんだそうな。さすが、銭湯天国・京都です。
今日のお時間
伏見稲荷大社 9:10 − 9:45 四ツ辻−(稲荷山)−10:15 四ツ辻 −11:10 今熊野観音寺 −11:20 今熊野ポンプ場−(休憩1回)−12:40 清水山 −13:00 高台寺国有林 13:45 −14:00 東山山上公園 −14:30 尊勝院 −14:45 粟田神社
今日のお風呂 銭湯 新京極 「桜湯」 370円
泉質: H2O
効能: さっぱり