山の一品

花々

きつい山道で険しくなった顔に、自然と笑みをもたらしてくれるのが
足元に可憐に咲く花々です。
山全体が花に包まれている光景は、息を呑むばかり。

春はもうすぐそこ。
本日は今までに出会った様々なお花を、みなさまへ。


お花にまつわる今昔の文章を
音楽と共にどうぞ。
(うるさいと思われる方は、音量を落としてくださいね)



アカヤシオ・シャクナゲ・シロヤシオ






あなた達は、植木屋が入らない庭園が

いかに自分だけで美の秩序を保っているのか

見たことがないかい?



                   (オーギュスト・ロダン)






道の辺の草深百合の

花笑みに

笑みしがからに

妻といふべしや



                         
(万葉集)


リンドウ・ササユリ


カタクリ・イチゲ・オダマキ・チングルマ





もののふの八十娘子(やそおとめ)らが

汲みまがふ

寺井の上の

堅香子(かたかご)の花




                    (万葉集)





一本の美しい木ほど

神聖で

模範的なものはない



                        
(ゲーテ)


ツツジ・ガマズミ


水仙



姿あり才ある女の男を持たず世にも習はで
身を終わるまで汚(けがれ)を知らず
山ぎはの荘などに籠り居て
月よりほかには我が面をだに見せず
心清く過ごせるが如きは水仙の花のおもむきなり。

麓の里のやや黒み行く夕暮れに
安房なる鋸山の峻(さか)しきあたり
「きんだい」といへるが咲きて立ちたる
またなく気高し


                 
(幸田 露伴)
        




          菜の花や

                月は東に

                        日は西に




                             (与謝 蕪村


ツガ・菜の花・ざせん草

春宵一刻値千金

花に清香あり 月に影あり



さぁ、この春は

どの花の山に行きましょう?

         

Photo : S. Izumi
T.Fukuyama


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