
JR比良駅の朝は、電車が着く度にザックを担いだ登山客が、ドっと階段に溢れます。リフト行きのバスの運転手さんが、駅の時刻表を見ながら、、増便の算段をして時間を見計らって出発して行きます。予定ではバスへの乗り継ぎに5分しかなかったのですが、増便のお陰で2台目に余裕で乗車。比良登山リフト・ロープウェイは今年一杯で休止になるとのことで、さぞかし駆込み客が多いと思いきや、意外と空いています。郷愁を誘うシングルリフトの順番を待っている間に、机に置いてあるリフト存続嘆願書に、殆どの人が署名していきます。行列することなく、リフト・ロープウェイと乗り継いで、9:50 山頂駅に到着です。
お天気も良く、山
頂は眩しいばかりの雪の白さ。10:00 まずは、アイゼンなしで八雲ヶ原を通り八雲ヒュッテへと降りましょう。結構急な坂を下りる事になり、後ろから「アイゼン着けますか〜?」の声が何度もかかりますが、「いや、大丈夫でしょう」の返事で、時折ツルっとしながらも10:20 八雲ヒュッテ前に到着です。上りの雪道には滅法強いメンバーですが、この先、アイゼン装着場?が狭いのを知っているので、ここでアイゼンを着けてしまいます。
緩みがないか確認したら、出発です。アルペンAコースを横切って、武奈ヶ岳登山口の標識から山道へ入ります。10:40 イブルキのコバを通過。いくつかのグループが休憩しているので、休みはもう少し先で取りましょう。小さな橋の上に雪が積もり、丸太ならぬ雪の一本橋はさながら平均台を渡る感じ。私達の前
では恐々と横向いてカニさん歩きで渡る人、足が思うように前に出ず、同じグループの人の「ハイ、ハイ」という掛け声に合わせて、足を出す人と様々で眺めているのも面白い。こういう所が大好きな我がメンバーは、なんなく通過して10:50 少し広い所に出て休憩です。木々の間からは、目指す武奈ヶ岳がまだまだ遠くから、こっちおいで〜と呼んでいます。
さてさて、ここからしばらくはブナの林の中を快適な雪原歩きです。11:15 コヤマノ岳への分岐を過ぎた所でちょっと一休み。武奈ヶ岳もだいぶ近付き、後はあの稜線に上がる急登が待っています。
さぁ〜、行くぞ〜!と意気込んで歩き出したら、今年は前回より雪が多いのでしょうか、あっという間に稜線に辿り着き、後は山頂に向かって真っ直ぐに延びる雪の廊下を歩けば、11:40 武奈ヶ岳頂上に到着です。
来た道を振り返ると、眼下には雪の林、比良スキー場の八雲ゲレンデの向こうには琵琶湖が広がります。湖面に浮かぶ琵琶湖最大の沖ノ島の向こうには、先日登った奥島山から長命寺山の山並みが、そしてそのずっと遠くには白山の姿も春霞の中にうっすらと見えます。
春は、お天気が良くても秋のようにスッキリと晴れ渡る景色は、なかなか望めませんが、霞みにフンワリと覆われた山々も春の山らしくて良いものです。
さぁ、一面の群青に白い雲がポチッ、ポチッと浮かぶ空の下、お弁当た〜いむ!!いくら陽が射してるとは言え、そこは3月、風はまだまだ冷たいです。山頂より少し下った所で正面に琵琶湖、左手に北稜が見える場所に腰を下ろします。そろそろお腹も一杯になる頃何やら北稜の辺りが騒がしい。見ると学生のグループが斜面をお尻から、頭から滑り降りて遊んでいます。最初は1人、また1人でしたが、その内え〜い、面倒とばかりに7〜8人
が尻セードならぬ、団子セード。北稜は完全に滑り台化しております。
雪の滑り台も良いけれど、それよりオジサン・オバサン達には、温泉なんよ。予定よりもすこしずつ早くこなしているので、帰りに比良とぴあでお湯につかることにして、12:20 下山しましょう。難なく上がって来た急坂をあっという間に下り、お弁当組がアチコチに腰を下ろすコヤマノ岳分岐辺りを過ぎて、13:00 イブルキのコバの先でちょっと休憩。往きに渡った雪の平均台は、表面積は心なしか広がったものの根元が溶けて痩せ始め、いつ崩れてもおかしくない感じ。返って帰りの方が不気味です。
そんなに急いでどこへ行くの?という声にお応えしてちょっと長めに休みます。ここを抜ければ、比良スキー場はもうすぐそこ。せっかくですからもう少し、恐らく今年最後の雪山の雰囲気を楽しみましょう。
とはいえ、先ほどの学生さんのように雪遊びをするでもなく時は過ぎ、よっこらせとザックを担いで10分程で、アルペンAコースを横切り八雲ヒュッテ前に帰ってきます。
ここで皆さん、アイゼンを外していますが、ちょ〜っと待ったぁ!!前回のロープウェイ駅までのあの苦労をお忘れですかい?と言ってる側から外した人は、冷たいビールを求めて八雲ヒュッテの中に吸い込まれて行きます。ヒュッテはアイゼン禁止なのよね。ゆっくりとビールを味わったら、13:40 朝と同じく八雲ヶ原を通ってロープウェイ山上駅へ向かいます。ここも前回よりは雪が多く残っているせいか、そんなに滑らず歩けますが、やはりこの坂アイゼンがあると無いとでは疲れが違います。「最後の最後にキッツイわ〜」と言って歩く皆さんを尻目に、頑としてアイゼンを外さなかった約1名、快心の歩きで駅一番乗りです、フッフッフ。
この後はロープウェイ、リフト、バスと乗り継いで、一昨年オープンした町営の日帰り温泉「比良とぴあ」へ。500円でゆっくり露天風呂に入って、あぁ、極楽、極楽。いつも快晴に恵まれる相性の良い武奈ヶ岳で、雪山を堪能した1日でした。
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