雨のみちのく 網張温泉

今までの夏の特別例会は信州方面が多かったので、今回は行ったことのない東北を訪ねてみることにします。お宿の関係で選んだのが、盛岡市郊外にある網張温泉。岩手山の登山コースの一つ、網張コースの入口です。あっ、でも岩手山へは行きません。網張コースはロングコースで山頂まで6時間はかかるので、今の我々にはムリ! 今回は岩手山を眺めるのに丁度良い姥倉山との分岐まで歩く予定です。麓の温泉に加え、冬のスキーリフトを3本も動かしてくれてるので、標高差550mを一気に網張の森稼げるのも魅力的💛 それでは、盛岡へ出発しましょう。

初日は移動だけなので、お宿までのシャトルバスの出発時間 14:45に盛岡駅に集合。1時間程バスに乗れば、標高770mの高台に建つお宿に到着です。東館、西館、温泉館とそれぞれに温泉があり、今日はビジターセンターの隣にある温泉館のお湯へ。露天では「岩手の温泉はあちこち行ったけれと、ここのお湯が一番」と地元の方が絶賛されていました。サッパリしたらお部屋に戻り、そうこうする内にもうお夕食の時間です。何もしなくてもご飯が食べられるって、幸せだわ~と言いつつ食堂へ向かいます。

このお宿の特徴である、地元の名産・名物を取り入れたバイキングメニューはいつもながら目移りしますねぇ。盛岡牛のステーキやわんこそば、比内鶏の煮物など取り切れないものはまた明日、頂きましょう。明日に備えアルコールも網張薬師社控えめで、皆さん珍しく生ビール1杯で今夜はお開きです。

明けて翌日、カーテンを開ければ外は霧で真っ白。天気予報では午前中雨が残るようですが、後はほぼ曇り空と言っています。8時半にはリフトに乗って最初の展望台へ行くつもりでしたが、様子見で午前中はお宿周辺の、「網張の森」ウォーキングへ変更です。10:20 昨日行った温泉館のお向かいから、「網張の森」へと入ります。

最初の階段を上がると、右手に鳥居とその奥に網張薬師社が鎮座しています。説明板によると網張温泉は1300年ほど前に発見されたものの、江戸時代に入り山ノ神信仰で一般の入浴は禁止されたのだとか。その際温泉周囲に網を白樺ロッジ張ったのが「網張」の由来だそうです。明治時代になって元湯からお湯を引いて温泉宿が開かれたようです。お宿の後ろに控える犬倉山の中腹から、もくもくと蒸気が上がっているのが見えるのですが、これが源泉なのでしょうね。

網張薬師社で温泉の歴史をお勉強したら、先に進みます。しばらく緑鮮やかなブナやナラの森の中を歩きます。お宿の横を流れている川の上流に架かる橋を渡ると、目の前にスキー場が開けて来ました。スキー場の施設、白樺ロッジでちょっと休憩です。

ゲレンデの花相変わらず周囲は霧が立ち込め、どうも目の前にリフト乗り場があるようですが、ぼんやりとしか見えません。白樺ロッジも誰も居ないのですが、ドアは開いているし中も普通に椅子とテーブルが置かれ、休憩所のようになっているので、ここでコーヒータイムにしましょう。

階段に座り呆然とスキー場を見つめる方たちの後ろ姿を眺めながら、熱いコーヒーでほっと一息。そうこうする内に霧が少しずつ晴れて来て、リフト乗り場に向かって歩く人の姿もはっきりと見えるようになってきます。お天気は相変わらずハッキリしませんが、この調子なら午後リフトで上がってみようかと話しつつ、ウォーキングを続けます。

展望リフトここからはゲレンデを下るのみ。いくつかのゲレンデを渡り歩き、11:30 最後の下りの階段です。所々お花も咲いていて、見つけると足を止めてお花談義。ゴールのお宿前に着いたのは丁度お昼ごろとなりました。さて、これからどうしましょう。朝、出発する際にお宿に作ってもらったおにぎり弁当をずっと持って歩いているのですが、これをどこで食べるか・・で話し合いです。

一旦宿に戻り部屋で食べるか、外のベンチで頂くか、はたまた雨が止んでる内に思い切ってリフトで上がってしまうか・・。5分程あーだこーだ言ったのち、え~い、上がってまえ!の一言で、リフトに乗ることになりました。

そうとなれば、早速リフト小屋で今回の宿泊プランに付いているリフト券をもらい、リフトを3本乗り継いで標高差500mを一気に稼ぎます。12:30 3本目のリフトを降りればここは1300m。霧は何とか晴れています。陽射しはありませ岩手山んが、ジリジリと夏の太陽に照りつけられるよりは歩きやすいかも。リフト降り場周辺にはチドリソウでしょうか、同じお花でも色が濃かったり薄かったりで絵のようです。お花を楽しんだら、ここから10分ほどの犬倉山展望台へ向かいましょう。

最初はちょっと坂道ですが、稜線に出ればほぼ平らの道です。展望台に近づくにつれシューシューという音が聞こえてきます。目の前が開けて展望台に出て来ました。先端まで行って崖下を覗き込むと、音と一緒にっ蒸気が立ち昇り、硫黄の匂いも漂います。ここが網張温泉の源泉のようです。空模様は、う~ん、相変わらず低い雲が立ち込めて岩手山方面は何も見えません。今のお時間は12時半過ぎ。雨が降らない内にお弁当を食べてしまいましょう。

雫石おにぎり2個とコロッケや焼売がちょっとずつ入ったお弁当を頂いている内に、一瞬雲が切れて来ました。これは、岩手山が見えるか!と小さな岩の上に立ってみると、岩手山の稜線の一部に光が当たっています。その奥の方に見える台地は八幡平だそうな。見える見えると騒いでいる内に、又もや雲に覆われてしまいました。あ~、残念。なんかポツンと当たる!という声に、慌ててお弁当を片付けて13:00 リフト乗り場へ向かいます。

リフトから遠く見渡す雫石の町は、こちらの山側とは違って、陽射しを受けてキラキラと光を放っているようです。再び3本のリフトを乗り継いで麓まで戻ります。お宿に戻って、昨日とは違うお風呂に入りお夕飯の時間を待つ頃には、こちらも晴れて来ました。部屋の窓から見る空は明るく晴れています。今頃晴れてもなぁ~。残念な気持ちを抱きつつ、夕食会場へ。今晩は飲みますよ!

昨夜は地酒飲み比べセットなどをタップリ嗜み、今朝はスッキリとお目覚めです。本日は小岩井農場で遊んでから、帰途につきます一本桜。9:30 予約していたジャンボタクシーに乗り込み、お宿の方に盛大にお見送りされて出発です。小岩井農場と言えば有名な一本桜。何もとも言わなくとも運転手さんがしっかり案内してくれました。残念ながら今日も岩手山には雲がかかっていますが、ポスターやカレンダー等で良く見る構図で写真を撮ることが出来ました。それでは、小岩井農場へ向かいましょう。

正確にはここも小岩井農場の一部なのですが、観光客は「まきば園」というエリア内で遊べるようになっています。一本桜から5分ほどで「まきば園」に到着。お一人様800円を払って園内に入ります。先ずはポニーのさくらちゃんがお出迎え。300円の人参を買ってさくらちゃんのおやつタイムを済ませたら、その後は楽しみにしていたアーチェリー体験です。弓道経験者のメンバーさんに、弓道とアーチェリーは違う!と言われつつもご指導いただき、初めてのアーチェリーに一喜一憂です。あ、なぜに牧場でアーチェリー?という疑問はこの際お忘れください。写真を撮るのも忘れるくらい楽しんだら、そろそろお昼ご飯にしましょう。

岩手山園内を周遊するバス「もうもう号」に乗って、入口にあるレストランへ戻ります。せっかく来たのだからと、焼肉セットや人気のビーフカレーに舌鼓を打ち、デザートには場所を変え、カフェで新鮮なアイスクリームを頂きます。このカフェは無料休憩所でもあるので、ゆっくり過ごせて良いですね。そろそろ駐車場で待機中のタクシーに戻ろうかとカフェを出て振り返ると、多少のちぎれ雲を纏ってはいますが、岩手山の稜線がハッキリとその全貌をのぞかせています。

最後の最後に、ようやくお目にかかれました。元々今回の旅のコンセプトは「岩手山を眺める旅」なのに、初日から雨模様でどうなるかと思いましたが、これで目的が果たせました。これもひとえに我々の行いが良かったから・・という事にしておきましょう。

 山のお時間
10:15 網張の森入口 -10:24 網張薬師社 - 10:45 白樺ロッジ 11:15 -11:40 展望リフト乗り場 12:00 ~ 12:30 リフト終点
- 12:40 犬倉山展望台 13:10 ~  展望リフト ~ 13:40 リフト乗り場 

 本日のお風呂    網張温泉
       泉質: 単純温泉/硫黄泉(硫化水素型)
       効能: アトピー性皮膚炎、末梢神経痛、尋常性乾癬

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